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闇に生きるもの

2021年6月6日公開作品

※当作品についてブログ、SNS等への転載は固くお断りします。




冷たい平和の束縛を厭い

天界の利己主義と汚らわしさを嫌い

涙さえ閉じ込めた

その代償にもたらされた、永遠の闇


永遠に続く孤独

夢を見ることも忘れた

連れ去られた先は光か闇か


憎むことしかできない囚われた目

憐れみで与えらえた初めての自由の身



天界で皆に祝福を受け生まれた天使....


幼き頃から賢く、魔法も全て兼ね備え

美しく天界にふさわしい男の子だった。


やがて時が経ち、美青年に成長する

将来天界を統括するゼウスの後釜とも囁かれはじめた頃、ルシファーと出会う。

ルシファーの考えや行動に感銘し一緒に居ることが多くなった。

青年はルシファーと話をしていくうちに

天界の方針に疑問を感じるようになった。

青年の目に入る天界の光景や方針すべてに納得がいかなくなった。


天界を崇拝する人間には甘く囁き蜜を吸わせ、

時には助言すらなく見捨てるように排除していく。

絶望に陥る人間の姿を見て笑い、平気で排除し地獄に落とす。

それが全てゼウスの指示によるものだった。


ルシファーはゼウスの方針に反対し抗議をした。

ゼウスは怒り狂い、右腕とも言われていたルシファーを

天界から追放し堕天使にしたのだ。




青年は絶望した。夢だ希望だと偽りの美辞麗句で固められてる天界を....

大切なルシファーを追放したゼウスを恨んだ。


ゼウスは右腕がいなくなった途端に青年に手を出し始めた。

そしてゼウスの幹部からも、夜の営みに付き合えとまで言い始めた。

周りからは無責任な称賛の声

『喜べ!ゼウス様がお前を気に入ってくださったぞ!

ゼウス様の後釜はお前に決まりだな!』

今すぐにでもゼウスや幹部を抹殺してやりたい。と思っていた矢先だった。

どいつもこいつも、ゼウスと同じ考えの奴らばかり……


青年は幹部から声が掛かっても無視し続けていた。

わざと相手が怒り狂うのをひたすら待ちつづけた。

怒り狂い青年に向かってくる幹部をは1名、また1名と抹殺しはじめた。

逃げ回る天使を剣で刺し続けるうち

いつの間にか笑みが浮かび、楽しんで抹殺するようになっていった。


いつしか血塗れの姿で青年は剣をゼウスに向けて睨み付けていた。

「次はお前の番だ....」

ゼウスに刃向かい自ら堕天使となり魔界に降り立った。


降り立った魔界で、天使よりも眩い光を放つイザマーレと出会う。

そして彼を中心に集められた構成員を従え、やがて魔界を統括する事になる


ある時は魔界と天界との戦いで、

イザマーレがヨッツンハイムから脱出後、

自らの片割れであるミカエルを天界に送った。

今やそのミカエルがゼウスより上手になり天界を実行支配することになる。

ミカエルはダンケルとも情報を共有する仲となり、

ダンケルもゼウスに向けて仕掛ける事も出来るようになっていた。

そんなある日....




「へ~いか~!仕事中にごめんなさい」

ダイヤがダンケルの居る執務室に顔を出した。

「....どうしたのだ?」

書類から目を離しダイヤを見た

「今日、お仕事終わったら閣下と会われたらいかがですか?」

予想もしていない事を言われて目が点になっていた。

「....?」

不思議そうに首を傾げる

「閣下、今日は空いてるそうですよ~!陛下!大チャンス!」

そう言いながらダイヤは扉を閉めてしまった。

「....???まぁ....そうするかな🎵」

ダンケルはクスッとしながら再び書類に目を向けた





迷い込んだ悪魔の森の中で出会った

ひとかけらのぬくもりが

凄まじき愛となり絆に変わる


狂おしき運命と愛の行方は…


「失礼致します。陛下。如何なさいましたか?」

今日も律義に頭を下げ、私に心からの忠誠を示す愛しき大悪魔


分かっている。

お前はいつでも忠実に、私の願いを叶え続けてくれている

私の言葉を待たずとも、また、私の存在などなくても

お前さえいれば、世の中は満たされるのだという事も…


だからこそ私は、お前の上に立ち続けてやる

私の中に居る事で、お前の光が強く輝きを放つのだから……


「立場というものは、面倒なものだな。

用件がなければ、私はお前に会う事も儘ならないのか?」

玉座から静かに立ち上がり、目の前で跪くイザマーレを抱きしめる



「吾輩がお呼びしようとする前に、陛下からお呼び出しがございましたので」

イザマーレは静かに微笑み、ダンケルに手を添える


「…そうか。お前からの呼び出しとは珍しいな。

ただ私は、お前の美しい顔を愛でたいと思っただけだ。」


「必要ならば、いつでも馳せ参じます。ですが今日は、吾輩から

お願いがございます。陛下にお茶を…淹れていただきたいのです。

茶会の用意は整えております。どうぞ、こちらに」




イザマーレに促され、移動した先は魔宮殿の屋上にあるバルコニーだった

そこからは、魔界全体を見渡すことができる


「やっと来やがったか(笑)」

ウエスターレンが長い脚を組んで座り、紫煙を燻らせながら、

ニヤッと笑う


「なぜか知らないけど、年に一度、この日だけは

ダンケルの紅茶を飲みたくなるんだよね~♪」

のんびりと笑いながら、ティーセットを準備し始めるベルデ

その横には特大サイズのケーキが…


「今回は、特別バージョン!!!

ダイヤちゃんがリリエルちゃんに頼み込んで、ケーキ焼いたんだって!!

すっげー美味そう!!!」

長いテーブルにどど~んと乗せられた特大サイズのバースデーケーキを後目に

バサラとセルダがお皿とフォークを配って回る


「食べきらなかったら、リリエルちゃん怒るよ~♪

でもそこは、吾輩に任せて♪♪」

すでにケーキの横に張り付き、かじりつきそうなラァードル



私を闇の孤独から救い出した光と、誇り高き構成員たち


「未来は、我々が作り出せば良いのです。

最高魔軍という旅はまだ終わらせませんぞ」


ティーカップとケーキを差し出しながら、微笑むイザマーレ

その力強さと眩さにダンケルも微笑む


「そうだな。もおちろん、いいよぉ👆」


梅雨晴れの空の下、一堂に会した最高魔たちの祝宴

サタン45世ダンケル大魔王陛下、万歳🙌🙌🙌🙌🙌🙌



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