パンの代償
- RICOH RICOH
- 2024年10月28日
- 読了時間: 5分
事件後、
ダイヤはプエブロドラドで元気いっぱいに任務に就いていた。
「あら、ダイヤさん、聞いたわよ〜!」
村を巡回している時に住民から声がかかる
「またぁ〜リリエル様を困らせたようじゃないの〜
パン作りの邪魔しちゃ駄目でしょ〜?
それに、わざとワサビ入れたんだって?
たまたまリリエル様の考案で美味しく出来上がったようだけども…
閣下もかなり激怒だったそうじゃないの💦
貴女くらいよ?生きてられるのは(苦笑)」
思いもよらない事を言われ、戸惑い、引きつり笑いをしていた。
「確かにワサビは入れたけど…困らせてはないよ?手伝ったし…」
「だから閣下にも怒られるのよ💦昔の事を言うのもなんだけど、
リリエル様の邪魔をするから愛契約も打ち切られたんじゃないの?
少しは考えないと…」
親切心ではあるが、ど偉い事を言ってくる。
「契約打ち切りには色々あったの💢それを言っちゃ駄目~」
ダイヤはケタケタ笑ってその場から離れる
次から次へと住民に会うたびに同じことを言われ
ダイヤも負けじと言い返してはいるが…心が折れそうになる
そんな中、プエブロドラドの入口を点検しに行けば…
低級悪魔が待っていたように睨みを効かせ、口を揃えて罵倒してくる
「おい💢ウニ頭😈リリエル様を困らせるんじゃねぇぞ💢」
「ウニ頭じゃねぇわ💢ダイヤだわ💢
まともに魔名すら覚えられねぇのか💢」
イラっとして言い返すが…
「別にお前に興味なんかねぇよ💢ウニ頭で充分だ💢
( ゚∀゚)o彡゜バーカバーカ!」
更にイラっとするが無視をして点検をしているダイヤ
その後も低級悪魔からの罵詈雑言は繰り返される。
「無視してんじゃねーよ!ウニ頭💢」
カチンと来てダイヤは黒いオーラを出す…
「やめろよ!あぁ見えて、ウニ頭も大魔王の后なんだから…一応はな」
益々イラついたが、作業を終わらせて歩きだす
「いいか?リリエル様を困らせるんじゃねぇぞ!ウニ頭〜♪」
ケラケラ笑い、去って行くダイヤに罵倒し続けた
そんな事があり、仕事が終わり帰宅して部屋に戻れば…
山のように届けられた野菜サンド…
「……何?これ…」
ダイヤが苦手な野菜尽くし、たんまりと山積みされている
「…これ…量が半端ないんだけど💢💢💢💢」
一瞬立ち尽くしていたが、部屋の前を通る使用魔にをつかまえては
野菜サンドを配りまくるダイヤ。
「頂きます…あの…ダイヤ様もお食べにならないと…
リリエル様に食べた感想言えませんから…しっかり食べて下さいね〜」
「は〜い💦…でもこの量じゃ…💦そうだ!!陛下にも…」
「あ、…陛下はいらないそうですよ?」
使用魔が遠慮がちに言った
「…え?いらない??」
ダイヤは口をパクパクさせていた
「私達に配るだろうダイヤ様の魂胆も織り込み済みの様です…。
『受け取っても良いが最低1個はちゃんと食べさせよ』との
指示がありました。お茶持ってきますから、必ず食べてくださいよ」
結局、野菜サンドを食べる羽目になるダイヤ
「ほらぁ美味しいじゃないですかぁ!」
お茶を持って来てくれた使用魔が他の使用魔も呼び、
ダイヤを囲い込んで数名で食べていた。
「やっぱり、リリエル様は何作られても美味しいわ…」
嬉しそうに使用魔が食べてるのを見て微笑む
「好きなだけ食べて〜私はもう…ご馳走様でした…」
ダイヤは涙目になりながら、何とか1個食べ終えた
その後もいつも通り任務に就くが
いつになってもイザマーレからも呼び出しが掛からず
モヤモヤする日々。巡回している最中でも噂話が耳に入る。
リリエルファンの住民には嫌味を言われ何とか切り返す。
プエブロドラドの入口に点検に行けば、
未だに低級悪魔に噛みつかれ言われる…
ため息をついて空を見上げた
「…疲れちゃったな…気分転換しなきゃなぁ…」
ベンチに座り周りを見渡す…
「…そうだ…あそこなら行っても大丈夫だよね…」
呟いて再度目を閉じる。首をひねって少し悩んだが…
再び目を開き立ち上がった
「気分転換は悪い事ではない。決定です!!」
その日…仕事を終えて魔宮殿へ帰宅をするが…
夕食も取らずにダイヤは魔法陣を使いある場所へと向かった
ダイヤが魔法陣を使い、姿を現したのは裕子が住む人間界の部屋…
「ゆうちゃ〜ん!調査…」
言いかけたが途中で言葉を止める。部屋の中は誰も居なく真っ暗…
裕子はまだ帰宅していないようだった。部屋の電気を付け
勝手にテレビを付けてボーッとして帰りを待つ。久々の人間界。
お笑い番組の内容でも話が付いて行けず、そのうちにウトウトし始めた。
ハッと目を覚ましたが再び寝落ちしてしまった。
裕子はその頃入れ違いで魔界に戻り、イザマーレの屋敷に呼ばれていた。
イザマーレからダイヤの話を聞き、ため息を付いていた
「…じゃあ…なっちゃんは今、私の部屋に居ると…
1魔だけにして大丈夫ですか?私、戻った方がいいのでは…」
裕子が心配そうに言った
「大丈夫だ。裕子の自宅も結界貼ってるから
低級悪魔や反逆者の目には付かないが…」
イザマーレは腕を組み、何かを考えているようだった
「…閣下?」
「…まぁ…アイツに分からせてやらんとな。良い悪夢を…♪」
ニャっと笑い裕子にウインクした
「帰って来たら説教だな💢」
裕子もニマッと笑ってイザマーレを見た。
そして…ダイヤに見せる悪夢
数ある夢台本ファイルの中からクリックしてあの物語が始まる…
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