魔鏡学園
- RICOH RICOH
- 2024年11月26日
- 読了時間: 3分
「イザマーレ、お帰り…っておい」
副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる
「…浮気か?」
ニヤッと目を細めるウエスターレン
「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」
言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ
「あ、あの…」
「ああ…ごめんな。この度は、完全に我々に責任がある。申し訳なかった」
オドオドとしているAnyeの目の前で手を合わせ、
平謝りするウエスターレン
「イザマーレと理栄は、夫婦で、しょっちゅう扉を消しているとはいえ
魔界中の人気NO.1 のイザマーレに想いを寄せる連中は後を絶たず
理栄に対する嫌がらせも、今に始まった事じゃないんだが…」
やれやれと、深いため息をつきながら、
何とか暴走を食い止めようとするウエスターレン
「校舎内の見回りに出た理栄の前に、時空の歪みを発生させ
迷子にさせようと巧妙に仕組んだ奴がいたんだ
守衛室にいる俺の目の前で、吸い込まれて
消えて行くあいつを見た時は、生きた心地がしなかった」
「!…そうでしたか…それで、こちらの世界にいる私が…
会長のところに…」
「過去の世界に居る俺からも、交信があった。
時空の歪みを生じさせない為に、
理栄とお前を鉢合わせるわけにはいかず
誤解させたんじゃないかって、気にしていたぞ」
「…!!…あ…」
ようやく事の真相が分かり、視線を泳がせるAnye
口元に手をやり、俯く
「やれやれ…図星だったようだな。
ところで、イザマーレ。どうするんだ?
理栄はまだ、向こうの世界にいるだろ?」
「勿論、吾輩が迎えに行く。
ただ、目の前で涙を流す姫君を放置するわけにもいかないからな
たしかに、お前たちの世界では、鉢合わせはご法度だ。だが…」
ニヤッと不敵な笑みを浮かべるイザマーレ
その時、シュッと空気が振動し、現れた影が怒鳴りつける
「お前ら…ふざけるな!!!」
「!…か…かいちょ…///////」
驚いて固まるAnyeを強く抱きしめる会長イザマーレ
「…我々のいる魔鏡の世界なら、そんな心配は無用だ♪」
そう言いながら、会長イザマーレの胸ポケットに
ちょこんと収まっていた理栄に指を差し出す副理事長
「副理事長…よ、よかった(´;ω;`)ウゥゥ」
元の大きさに戻り、抱きつく理栄の髪を撫で、微笑む
「おかえり。理栄♪」
「まさか…私のせいで、ご迷惑をおかけしてしまうなんて…
ごめんなさいね 」
恐縮そうに見つめる理栄に、
会長イザマーレもようやく落ち着きを取り戻す
「ああ、まあ…お前に落ち度があったわけじゃないだろ。
こんな時でも、他者の心配をするんだな…(苦笑)」
「キャー(≧∇≦)…やっぱり、どの時代の閣下も素敵ね~♪
とても親切にしてくださって、有難うございます(*´艸`*)」
天真爛漫にはしゃぐ理栄の言葉に
副理事長は苛立ちを募らせ、会長は困ったように顔を引きつらせる
そんな会長イザマーレをじーーーっと見つめるAnye
「へえ…焼きもちをやく理栄ってのは、新鮮だな♪」
ここまでのやり取りを繁々と眺めていたウエスターレンが
楽しそうに紫煙を燻らせる
「ま、そんなわけで。折角だ。
我々のいるこの世界で、好きなだけ過ごせば良い。」
「……!!」
太っ腹な副理事長に、校長の理栄が嬉しそうに頷いている
「元々、ご招待しようと思っていたんです。
留学生たちの面倒を見てもらったお礼に…♪」
……そんなわけで、
急遽、魔鏡の世界に滞在することになった会長と Anye
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