top of page


数か月間、眠り続けていたリリエルは、

イザマーレと人間界で出逢った頃の夢を見ていた……

いつも自分を励まし、見守り続けてくれた愛しい悪魔の歌声

幸せな気持ちで溢れていた

振り返れば、いつも優しい光……


「……閣下……」

「……っ」


ようやく目覚めたリリエルに、

涙で言葉が出ない夢幻月詠


イザマーレの涙に、心が抉られる


「っ…泣かないでください、閣下……」


「お前が目覚めた時、かけてやる言葉をずっと考えていたが……

吾輩に言霊を使わせない女は、お前だけだ、リリエル……」


イザマーレは嬉しそうにリリエルを抱きしめる

リリエルとイザマーレは見つめ合い、深く口唇を合わせた。

今までの時間を取り戻すように…

ゆっくりとリリエルを押し倒し気が済むまで愛し合う…

お互いの愛を確かめるように…





夜も眠れないほど、胸を締め付ける思い

もう二度とこんなに誰かを愛せはしないだろう


吾輩とお前で、どれほどの夏を駆け抜けたのだろう

焼ける陽射しの中、涙も心も解けて

人間界でお前に再び出逢えたのも、ちょうど今頃だったな

もう一度生まれ変わっても、きっと出会えるのだろう

 

リリエル…お前が好きだ……



この愛を吾輩も信じる

この想いは決して消えることはない


必ず超えて行ける。この先も永遠に……


吾輩の腕の中で無邪気に微笑むリリエル

お前を守り続けたい

いつまでも……



 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

コメント


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page