北―
- RICOH RICOH
- 2024年11月19日
- 読了時間: 5分
地獄からほど近い場所に、
低級魔が多く棲息する集落がある
細い溝がいくつも張り巡らされ、その合間の狭い区域に
ゴチャゴチャとした建物が乱立している。
カラフルでおもちゃ箱のような街だ。
小さいなりに商店やバルもあり、それなりに活気がある
地獄で任務にあたる低級魔や鬼たちの束の間の休息には
もってこいの場所なのだろう
細い脇道に入ったすぐの所にあるシンプルなコンクリート製の建物
狭い通路を進むと階段が見えてくる
数段昇った所に突然現れる扉
集落の入口にある情報局支部で調達した鍵を使い、扉を押し開く
「…やれやれ。急とはいえ、こんな場所しか抑えられなかったか…」
扉の中は、8畳ほどのワンルーム。
「意外と綺麗じゃないか。トイレと浴室がついているだけ、マシだろ(笑)」
普段、当たり前のように暮らしている屋敷と比べるのも野暮だが
広さ的には、ウエスターレンが使う情報局部屋くらいだ
イザマーレがパチンと指を鳴らし、
数時間過ごすのに困らない程度の内装に仕立て上げる
「リリエル、すまないな。大丈夫か?」
「ふふっ…全然、構いませんよ。小さくて、何にもないお部屋も
素敵じゃないですか(*´艸`*)」
装飾も何もない、殺風景な部屋では
お互いの存在を、いつも以上に大きく感じるのだ
「…リリエル…こっちにおいで」
急遽、魔力で出したベッド兼ソファーに腰かけ、抱き寄せる
イザマーレの隣にウエスターレンも座り、長い足をだらっと投げ出す
胸の鼓動や、息遣いまで聞こえそうなくらい、密着した状態で寛ぐ3魔
「こんなにも、居心地が良いとはな…♪」
「はい…いつも思っていました。
もしも、閣下が副大魔王様のような凄い方ではなくて
広いお屋敷じゃなくて、こんな風に、何もない所でお暮しだったとしても
きっと私は、閣下に恋をするんじゃないかなって…////」
イザマーレが微笑み、リリエルの髪を撫でる
顎に手を添え、口唇が触れる寸前にそっと囁く
「吾輩も、リリエルとはどんな境遇で出会ったとしても、
惹かれ合うだろうな…」
「閣下…ん…///////」
すぐさま口唇を重ね、舌を絡め合う
服の上から身体をまさぐりながら、一枚ずつ服を脱がせていく
「…あ、あの…///////」
2魔のやり取りを熱く見つめるウエスターレンの視線を感じて
恥じらい、顔を赤くするリリエル
「リリエル、遠慮するな。綺麗な声を俺にも聞かせてくれ」
ウエスターレンは躊躇うことなくリリエルの背後に回り、押さえつける
「さ♪存分に可愛がってやろうな♪」
「…!…んんっ…///////」
リリエルは驚き、僅かに抵抗するが、
口唇はイザマーレに塞がれたまま
露になった肌を愛撫され、徐々に力が抜けていく
「散々じらされ、お預けを喰らったからな。喰わせてもらうぞ…♪」
狭い部屋の中で、艶めかしい舌使い、喘ぐ吐息が
いつもより大きめに聞こえる
「ああっ…」
ウエスターレンが首筋から肩にかけて舌を這わせ
イザマーレが胸の蕾を口に含み、舌で転がし
堪らず啼き始めるリリエル
「あっ…い、いやあ…///////」
そのままリリエルをベッドに押し倒し、思う存分味わう2魔
何度も絶頂に到達し、まどろみ始めるリリエルを腕に包み、
見つめるイザマーレ
そんなイザマーレの髪を撫で、口唇を合わせるウエスターレン
寝ているリリエルのすぐ横で、
熱く愛し合うイザマーレとウエスターレン
途中で目が覚めて、寝たふりしようとするリリエルだが
当然気づかれ、何度も繰り返し愛される
花の色香に酔いしれ、一日の憂いが昇華されていく…
「まあ…ダンケルとダイヤのせいで振り回されたが、
今回は大目に見てやるか♪」
やがて、少しだけ落ち着きを取り戻した3魔
3魔とも、一糸纏わぬ姿で抱き合ったままだったが
真っ赤な顔でシーツに潜り込み、丸くなるリリエルを見つめながら
話し始めたウエスターレン
「そう言えば…ダイヤ様の器の楓様…一体化なさったのですよね」
丸くなったままのリリエルをシーツの上からポンポンと撫で、
笑うイザマーレ
「ああ、そうだな。リリエル、安心しろ。あいつの事だから
ダイヤ本体と同じように陛下に甘ったれてるようだ(笑)」
「えっ…」
イザマーレの言葉に、シーツの端から顔をひょこっと覗かせるリリエル
「器の楓も、まるで自分が消えるかのように思っているフシが
あったけどな。器と本体があって、初めて本来のダイヤになるわけだ。」
「ま、言ってみれば、ダンケルの奴、
毎回ハーレム状態でウハウハなんじゃないか?」
ニヤッと笑みを浮かべるウエスターレン
事の真相が分かり、いつものように微笑むリリエル
「そういう事だ。それなら我々も、逆ハーレムを存分に楽しんだって
少しも文句言われる筋合いはないだろ?」
そう言って、リリエルからシーツをはぎ取り、のし上がるイザマーレ
「きゃあっ///////…んっ…///////」
驚いて悲鳴を上げるリリエルの口唇を塞ぎ、再び愛し始める
束の間の休息は、当分、終わりそうにない…
魔界中を大パニックに陥れていることも知らず、
数週間程度、扉が消えたままとなった大魔王夫妻
ようやく公務に復帰してからは
リリエルの視線に晒されながら、契約書にサインしまくるダンケル
ダイヤも鬼上司のウエスターレンにたっぷりと説教され
仕事をたんまりと渡され、こなす日々が始まった…
👿魔界☆大パニック Fin.👿
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