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憧憬


ベルデが撮影した写真は全て、笑顔の悪魔達であった。

思い出には最高なシーンばかり…


休憩中、紐につかまり、一斉に転んでる写真

リリエルとダイヤが楽しそうにしている写真

BBQでのセルダとバサラとの笑顔の写真

セリーヌが乾杯の音頭を取っている写真などなど…


ダイヤが最も嬉しかった写真は

帰りの休憩でパーキングエリアで見た富士山の写真…

ダンケルとダイヤの後ろ姿だったが、

肩を寄せ合い富士山を見ている写真だった


「…この写真頂いていいですか?陛下にも見せたい」

ダイヤは写真を持ってベルデに言った。


ベルデも微笑み頷いた。嬉しそうに写真を眺めてるダイヤ


「へ~!このアルバム、

閣下とリリエルちゃんのパレードの写真もあるんだ!」

セリーヌはアルバムを捲りながら言った


「どれどれ?見せて!」


バサラにアルバムが渡された。

横に座っていたダイヤも一緒にアルバムを見ていた





…イザマーレとリリエルのパレード…


ダイヤは当時の苦い思い出も蘇っていたが

リリエルの純白ウェディングドレス姿と

その横で嬉しそうに寄り添うイザマーレの写真を見て

ダイヤも微笑んでいた


「リリエル様…綺麗!羨ましいなぁ~

私も一度で良いからウェディングドレス着てみたいな~!」

ダイヤは目を輝かせて言った



「そう言えばダイヤちゃん、陛下と正式な結婚式挙げてないよね?」

セリーヌがダイヤに聞いた


「あ…そうですね(汗)私の場合はね(^_^;)」

苦笑いしてダイヤは答えた


「ダイヤ様、結婚式挙げたら?」

リリエルはニコニコして言った


「…そりゃ…結婚式挙げたいけど…陛下もお忙しいし…

私から”陛下に結婚式挙げて下さい”とは

なかなか言えないな(^_^;)」

モジモジしてダイヤは呟いた


「「結婚式やりなよ!女にとっては最大の儀式よ!」」

Lily‘s全員に言われダイヤは焦りまくっていた…


「いや~…ハハハ…陛下は公務で忙しいし…私の我儘言えないし…」

ダイヤも話を誤魔化そうと必死になっている


その話を近くで聞いていたイザマーレとリリエルは

ダイヤの性格上、ダンケルに結婚式を頼むことなど

絶対にあり得ないと分かっていた。





(…ダイヤ様のことだから、私が何を言っても、

恥ずかしがって止めに入るに違いない…)


(お前ら、ここをどこだと思ってるんだ(怒)

大魔王が”結婚式”のような神の儀式などやるわけが…)


リリエルとイザマーレは同時に顔を見合せた



イザマーレはリリエルの顔を見てカクッと俯いた

リリエルは目を輝かせてイザマーレの心に訴えている。


(ダイヤのウェディングドレスが見たいだ?)


(ダイヤ様の笑顔も見たいです!

結婚式を挙げさせてあげて!閣下、いいでしょ~?)


(やれやれ…ダイヤの事になるとおねだりが始まるな…分かったよ)


イザマーレはため息をつきながら、リリエルを見て頷いた

リリエルも嬉しそうに微笑んでイザマーレを見つめ返していた

相変わらず、リリエルのおねだりに弱いイザマーレであった。



(ベルデの旅行の件でも、陛下に許可を取らないとな。

ついでにダイヤの事も言っとくか。

そのかわり、リリエル。報酬はいただくぞ?)


リリエルとイザマーレのテレパシーでの会話を

全て聞いていたウエスターレンは、笑いを堪えるのに必死だった


(…ダンケルの王子姿だと?!…プッ)


((汗)リリエルのおねだりだからな。

仕方ない、お前も手伝え。ウエスターレン)


(了解♪この報酬は、炎のお仕置き案件だな♪)


リリエルに聞こえないように

目配せしながら会話するイザマーレとウエスターレン。



 
 
 

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