百合
- RICOH RICOH
- 2024年10月29日
- 読了時間: 2分
雷神夫婦からゲームに誘われていたベルデ。
だが、今回は遠慮させて貰い
部屋に籠り、無心で何かを作り出そうとしていた
風神界の城で過ごしていたあの日、
2魔で消えたイザマーレとウエスターレン
実は、リリエルに内緒である物を作っているのを
遠隔操作で見ていた
リリエル達に「金髪美女」のDVDを見せている間
こっそりと2魔の後を追いかけたベルデ
「…てっきりお楽しみなのかと思ったら…何してるの…?」
「うわあああっ💦」
「な、なんだ、ベルデ!!脅かすな!!!」
突然、何の脈略もなく現れたベルデに、珍しく狼狽える2魔
「…そんなに邪険に扱わないでよ💦
それ、リリエルちゃんへのプレゼントなんだろ?
君たちとお揃いのアクセサリーにして…」
2魔の焦燥に構わず、のんびりと話を続けるベルデ
「ねえ、それ、リリエルちゃんには内緒にしてあげるからさ、
僕にも…作らせてくれないかな…?」
角をポリポリ掻きながら、にっこりと笑顔ではあるものの
否定することを許さない、そんなオーラを発動させるベルデに
ため息をつくイザマーレとウエスターレン
だが、ある事に気づいたイザマーレは、ニヤッと微笑む
「…なるほどな。確かに、裕子への土産にするなら
我々が作り出したものと同じパーツにしてやるのが良いだろうな♪」
「ありがとう…オーラを発動させるところまで、お願いできるかな?
あとは僕が自分で作り上げてみせるよ♪」
それを聞いたウエスターレンは、承諾しつつ引きつり笑いをしていた
(…ほんと、喰えねーな、こいつだけは…)
……
魔界に帰還した後
クリスタルの百合を結晶化させた指輪をリリエルに贈り
お揃いのブレスレットとネックレスを身に着け
いつもの日常に勤しむイザマーレとウエスターレン
そして、
ベルデは小さめのクリスタル百合を裕子に手渡す
「これなら、人間界に居る時も、いつでも交信できるから
僕が必要になったら、遠慮なく使うといいよ」
何を考えているのか、少しも悟らせないような
いつもの穏やかな表情で、のんびりとお茶を飲むベルデ
「…それにしても、すごい旅だったなあ…ふふ」
そう言いながら、マイペースに研究室に籠り
仕入れた知識を消化させるべく、記録作業に勤しんでいる…
Fin.
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