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百合


雷神夫婦からゲームに誘われていたベルデ。

だが、今回は遠慮させて貰い

部屋に籠り、無心で何かを作り出そうとしていた


風神界の城で過ごしていたあの日、

2魔で消えたイザマーレとウエスターレン


実は、リリエルに内緒である物を作っているのを

遠隔操作で見ていた


リリエル達に「金髪美女」のDVDを見せている間

こっそりと2魔の後を追いかけたベルデ



「…てっきりお楽しみなのかと思ったら…何してるの…?」


「うわあああっ💦」

「な、なんだ、ベルデ!!脅かすな!!!」


突然、何の脈略もなく現れたベルデに、珍しく狼狽える2魔


「…そんなに邪険に扱わないでよ💦 

それ、リリエルちゃんへのプレゼントなんだろ?

君たちとお揃いのアクセサリーにして…」


2魔の焦燥に構わず、のんびりと話を続けるベルデ


「ねえ、それ、リリエルちゃんには内緒にしてあげるからさ、

僕にも…作らせてくれないかな…?」


角をポリポリ掻きながら、にっこりと笑顔ではあるものの

否定することを許さない、そんなオーラを発動させるベルデに

ため息をつくイザマーレとウエスターレン




だが、ある事に気づいたイザマーレは、ニヤッと微笑む


「…なるほどな。確かに、裕子への土産にするなら

我々が作り出したものと同じパーツにしてやるのが良いだろうな♪」



「ありがとう…オーラを発動させるところまで、お願いできるかな?

あとは僕が自分で作り上げてみせるよ♪」


それを聞いたウエスターレンは、承諾しつつ引きつり笑いをしていた


(…ほんと、喰えねーな、こいつだけは…)


……





魔界に帰還した後


クリスタルの百合を結晶化させた指輪をリリエルに贈り

お揃いのブレスレットとネックレスを身に着け

いつもの日常に勤しむイザマーレとウエスターレン


そして、

ベルデは小さめのクリスタル百合を裕子に手渡す


「これなら、人間界に居る時も、いつでも交信できるから

僕が必要になったら、遠慮なく使うといいよ」


何を考えているのか、少しも悟らせないような

いつもの穏やかな表情で、のんびりとお茶を飲むベルデ


「…それにしても、すごい旅だったなあ…ふふ」


そう言いながら、マイペースに研究室に籠り

仕入れた知識を消化させるべく、記録作業に勤しんでいる…




Fin.




 
 
 

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