約束
- RICOH RICOH
- 2024年10月22日
- 読了時間: 3分
プエブロドラドで黒ミサが開催された夜
雷神帝と雷帝妃に紹介された後
スプネリアはラァードルに手を引かれ、イザマーレの屋敷に居た
「人間界に旅する間、自由に使って構わない」
黒ミサの直前、楽屋でイザマーレに呼び止められ、鍵を渡された。
受け取ったラァードルは戸惑いを隠せずにいた
「心配するな。それは、ある部屋にだけ使える特殊な鍵だ。
我々の部屋は全て、扉を消していくからな♪」
そう言って、ニヤッと笑うイザマーレ
「あの後、リリエルにも聞いているが、
どうもスプネリアはリリエルに似たタイプのようだからな
雷神界の正式な跡取り息子の妃として、遜色ないと思うぞ。
カッコいい王子になってやれ」
(なるほど…)
屋敷の中は真っ暗闇で、すべての部屋の扉が消えていた
イザマーレから渡された鍵を取り出すと
普段は使わない螺旋階段の上に明かりが灯り、豪奢な部屋が現れた
スプネリアをエスコートしながら、部屋に入った途端、扉が消えた
「へえ~…さっすが、サムちゃん。
すっげー豪華な部屋を用意してくれちゃって♪」
ラァードルは部屋中を見回していた
高級ホテルのスイートルーム並の広さ。
部屋の中は、ベッドだけでなく、キッチンやシャワールーム
全てが揃えられており、
数日間はその部屋の中だけで過ごせるようになっていた
(…////////)
ここまで黙って着いてきたスプネリア。
ドキドキしながら部屋の中を覗いていたが
不思議な事に、強い既視感に囚われていた
「殿下…この部屋って、もしかして…////////」
「ん?昔サムちゃんが、リリエルちゃんと契約を交わした部屋なんだって」
「!!!」
ラァードルの言葉に驚くスプネリア
「だけどまあ、それはリリエルちゃんを安心させるための
偽りの契約だったんだけどね。それでもサムちゃんは、彼女の為に
ここまで豪奢な部屋を用意したんだな…流石だな…」
スプネリアは、リリエルの言葉を思い返していた
“人間界に家族も居た私が、そんな事、許されるわけないんだから。
それなのに閣下は、そんな私を丸ごと受け入れてくださった…”
「…凄いな。閣下も、リリエル様も。」
改めて感動して呟くスプネリア
「そうだな。俺も、サムちゃんのように、
いつでもスプネリアの傍で守ってやれる存在でいたい。
お前の戸惑いも恥じらいも全て、受け入れてやる。
お前の覚悟が出来るまで、いつまででも待つから。」
「…殿下…っ////////」
涙がこみ上げるスプネリアと、ゆっくりと口唇を重ねる
バスローブを脱がしながら、綺麗な肌に舌を這わす
筋肉質なラァードルの腕に力強く抱かれ、何度も熱に浮かされ
果て続ける。熱い思いを胸に、スプネリアもラァードルの首に腕を回す
いつか勇気が持てたら、この気持ちの全てをお伝えしたい…
そう心に誓いながら…
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