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邂逅


気がつくと目の前でラァードルが心配そうに覗き込んでいる


「……で、殿下? 私……」


「どう?思い出せたかな?」


その問いかけにハッとするスプネリア


「はい……人間界にいた頃や、蛍の事も全て思い出したわ

閣下、リリエル様、皆さんも…

ご心配ご迷惑をおかけして、すみませんでした

でも、身体中から力が無くなったようで、起き上がれません

すみません……」


ベルデがすぐさま診察をする

「うん、力が抜けてしまっている以外は大丈夫そうだね

今日はラァードルの傍でゆっくり休んだら良いよ」


そして全てを見届けたバナトラが声を掛ける


「スプネリアちゃん、改めてごめんなさい!記憶が戻ったんだもの。

負荷がかかって当然よ!倒れもせず、

誰かを支えるなんて芸当ができるのは、リリエルちゃんくらいよ!!

まずは休んで。殿下にも迷惑かけて本当にごめんなさい!」


「バナトラさん、もう気にしないで…大丈夫だから」

「スプネリアの言う通り、気にしなくていいよ。バナトラちゃん」



「そうだな。あとはラァードル、お前が何とかしろよ」

「…閣下なら、すぐ元気にしてあげられるけど……(* ̄▽ ̄)フフフッ♪」


イザマーレとリリエルはニヤニヤしながら声を掛ける




「そうね💕今夜は2名にしてあげましょうか」

「息子よ、頑張れよ💕」



「もう!皆してからかってるでしょ💦

言われなくても自分の宮に連れて行って休ませるから!」

そう言ってスプネリアを抱き上げ謁見の間を後にする


ラァードルが雷神界に戻って来た時に過ごす皇太子宮

部屋のベッドにスプネリアを寝かせ手を握る


「吾輩がちゃんと煙草を処理しなかったせいで、しなくてもいい

苦労をかけさせた……ごめん……本当に悪かった……」

「まさかあんな事になるとは思って無かったけど、改めて殿下への

想いが再確認出来たから……殿下のせいじゃないから」


ニッコリとラァードルの顔を見て微笑むスプネリア


「スプネリア……」

そっと口唇を重ねエナジーを送り込んでいく

何度も口づけを繰り返し、ゆっくり身体の中から力が戻ってくる。

ある程度力が戻ったのを確認するとスプネリアの身体を抱きしめる

それに応えるようにラァードルの首に腕をまわす……


スプネリアの体力が回復するのと同時に首筋に舌を這わせ

手は優しく彼女の身体を愛撫していく


「……あっ、ああっ……殿下……」

「ん?どうした……?

もう二度と忘れないように愛してやるからな……

スプネリア……好きだ……愛してる」

「……うん、もう忘れない…… 私も……愛してるわ」


互いの肌のぬくもりを確かめ合いながら夜は更けて行く……










 
 
 

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