学園内
- RICOH RICOH
- 2024年10月20日
- 読了時間: 2分
リリエルが校長に就任してから一か月が過ぎた
校舎内にもようやく慣れて、
授業の合間に各教室を眺めて回り
すべての生徒や教師の顔を覚え、
気さくに挨拶できるようになった。
中でも、毎回、気さくに声をかけてくれる
バナトラやメーラ、シルバ、セリーヌたちとは
教師と生徒という垣根を越えて、
親友のように過ごせるようになっていた
学園で大人気の副理事長に
熱烈な思いを寄せる生徒や職員たちから
嫌がらせのような仕打ちを受けることも多かったが、
大好きなイザマーレが、誰からも好かれる
素敵な悪魔なのだと分かり
それすら嬉しくなってしまうリリエル
学園の仕事も、心から楽しんでいるようだった
一方、そんなリリエルの様子を微笑ましく思いながら、
ある悩みを抱えていた副理事長。
近頃、副理事長室ではウエスターレンと2魔、顔を突き合わせて
スケジュール調整に余念のない日々が続いていた
毎日のように寄り添い続け、今では一日のうち、朝、夜と
リリエルとの甘い時間を徐々に増やせるようになっていた
屋敷の中でも使用魔たちと打ち解け、
穏やかな笑顔を浮かべるリリエルを
一日も早く、正式な妻として公式発表したいのだが
その為には、事前の儀式も必要だ。
そんじょそこらの休みとは違い
本来なら好きなだけ、いくらでも確保できる時間のはずだ。
魔界一の多忙で有名な副大魔王。
この学園の運営すら、副理事長の手腕なくして
立ち行かないのは目に見えていた。
事情をよく知らないダンケルは、当然、長期の公休は認めず
せいぜい確保できて3日程度という結論に達した
全然納得できないイザマーレ。
だが、そうも言ってられない状況になってきた
リリエルに無遠慮な視線を寄せる、少なくない男悪魔の存在…
リリエルが校長に就任し一か月を過ぎた今でも、
校長室に届く花束の数は一向に減らない
悩み抜いて、ついに、ある結論に達した
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