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棘と芯


人間界のとある部屋…


ダイヤは魔法陣で勝手に入り、裕子を待っていた。

久々の人間界…懐かしい部屋…


数時間後、裕子が帰宅してきた。


「!!びっくりしたぁ!!なっちゃん来てたの?」

裕子は驚きながら鍵を置き、ため息をついた


「迎えに来たよ。ゆうちゃん」

ダイヤは笑顔で伝えた


裕子の顔が明るくなる


「…まさか…本当に???」


「…しつこいようだけど…確認…慣れてくるとは思うけど…

正直残虐な場面とかも見ると思う。そんな世界だから…

脅しではないの…それでも行きたい?」

ダイヤは心配そうに聞いた。


魔界の世界に黙って連れて行き

残虐な所を万が一見てしまった時…

裕子が耐えられるか心配だったのだ。


「…なっちゃんだって居るし、

リリエル様もLily‘sの皆さんも居る所だから大丈夫!行きたい」


(そこそこ心配もあるが…慣れて貰うしかない)


「…では…参りますか…」

ダイヤは裕子の部屋に魔法陣を出し、裕子を連れて魔界に戻って行った





裕子を連れ魔宮殿に戻ったダイヤ


「…凄いところだね…」


「宮殿だからね。これからゆうちゃんも住むんだから

気軽に歩いて♪後で案内するわ」


ニコニコして王室に扉の前に立った

「ここが王室だよ」

扉を開け、裕子と一緒に入った


広い部屋に更に驚き、裕子は緊張で固まっていた。

ダイヤは裕子をダンケルの前まで連れていった

「陛下、裕子さん連れて来ました」


「ご苦労、ダイヤ」

ダンケルは玉座に足を組んで座り、微笑んでいた。


「裕子。魔界で生活したいそうだな?ダイヤからも話を聞いている」

ダンケルが優しく話しかけていた


「は、はい。…大魔王様、許可して頂けますでしょうか…」

裕子はドキドキしながら訊ねた


「……」

ダイヤは複雑な気持ちで聞いていた。


「裕子。この魔界は人間界と異なる。あり得ない事も日常的に起こる。

それでも覚悟は出来てるのだろうな?」

ダンケルが語気を強める


「はい。出来ています…」

裕子はダンケルの目を見て答えた





「…よかろう。ダイヤの使用人として、ここで暮らせ。

部屋も用意してある。わからない事はダイヤに聞くがいい」

ダンケルは微笑んでいた。


「有難うございます!これからも宜しくお願いします。」

裕子は嬉しそうに言った。



その時、突然光が射し、

ミカエルが魔界用の真っ黒い服装で現れた。


「よぉ!久々に暇だから来てやったぞ!

ダイヤちゃんと式あげたんだってぇ?

俺様を招待しないとは、どういう了見だ?」


現れた途端、豪放磊落にニヤつきながらダンケルに言い放ち

ダイヤを見て微笑むミカエル


ダンケルに勝るとも劣らない、なかなかの美形だ。

裕子は驚きながら見ていた


「貴様を正式に呼べる訳なかろうが!(怒)

ていうか!暇だからって来るな!帰れ!

また、イザマーレたちに叱られるじゃないか!」

ダンケルがイラ立ちを隠さず、言い返す。


(でも…心なしか、大魔王様も楽しんでるような気がする…

昔からの悪友のような、喧嘩仲間のような関係なのかな…)


会話に出てくる話の意味はよく分からなくても

醸し出す空気に、関係性を何となく察する裕子


一方、ダイヤは苦笑していた





「ダイヤちゃんおめでとう♪こんな奴だけど宜しくな~(笑)

おや?…横にいる素敵な女性は?」

ミカエルは裕子に気が付いて微笑みかける。


ダイヤは裕子を紹介した。


「へ~可愛いじゃん!宜しくね~!

俺は天界を総括してるミカエル…以後お見知りおきを…」

裕子の手の甲にキスをする。裕子を見上げ、ミカエルは微笑んだ


「出たな…キザ野郎が!…」

ダンケルが嫌味を言っても全く気にせず、裕子の髪を撫でていた。

ミカエルの美形に裕子は顔を紅くしていた

その後ミカエルも一緒に夜の晩餐会が行われた…



 
 
 

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