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絆の宝


ミカエルと一緒にリリエルを愛していた時…

吾輩は数時間前のウエスターレンとの会話を思い出していた


そして……


かつての事件のせいで、ウエスターレンに言いそびれたまま

その感情をミカエルに預けたせいで忘れていた己の願いも


ウエスターレン。

あの頃、吾輩はお前の気持ちを知っていた


そして、吾輩の一番大切な宝を、

同じように愛しく思ってくれる事が嬉しかったのだ


お前と一緒に、宝を守りたい


それは、たしかに吾輩の願いでもあった


(…それならウエスターレンも、混ぜてやれば良かったな…)


その想いを届けたくて、扉を消さずにいた

そこへ、屋敷に戻って来たウエスターレン


(…さすがだな。吾輩が最も愛する悪魔だ。

ウエスターレン…おいで…)


(この野郎…後で覚えてろ!愛してるぞ、イザマーレ…)


「…ほら…リリエル、ウエスターレンにおねだりは?」

ミカエルがリリエルの耳元で囁く


だが首を横に振り、イザマーレにしがみつくリリエル

そんなリリエルと口唇を重ね、優しく見つめるイザマーレ


「いい子だ、リリエル…恥ずかしがらなくて良い

吾輩を愛しているお前なら

ウエスターレンの事も受け入れてやれ。

言う事を聞けば、褒美をやるぞ…」


そう言いながら、ポイントを避け、際どいところを攻め続ける





「…ウエスターレン様…来て…」

悶えながらリリエルはウエスターレンを呼んだ


ウエスターレンはリリエルをたっぷり愛していく



Lilyelと出会ってから…色んな事があった


花から人の姿となりイザマーレの大切な女になった…


あかずの扉の前で、お前を見送ったあの時

俺の涙も思いもすべて、お前に預けた

他の誰もが、お前を忘れたとしても

俺だけは覚えていてやりたかった


お前の涙も、笑顔も…


リリエル…お前を愛している…

イザマーレと同じように…


お前の笑顔を、

イザマーレと共に大切に守っていく…永遠に…





Fin.



 
 
 

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