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強制送還


翌日…

そんな事件があった事も知らず

ダイヤはプエブロドラドで仕事をしていた。


ウエスターレンは腕の傷を長袖で隠し、

ダイヤの横で普通に仕事をしていた。

時々傷の痛みに顔をしかめて…


「…どうしました?長官?具合でも悪いんですか?」

ダイヤはPCを打ちながら言った


「何でもない。大丈夫だ」


ウエスターレンはイザマーレが理性を失い姿を消した事を

ダイヤに言わなかった。ダイヤの事だ。

言ったらパニックをおこしかねない


自身もイザマーレの事で

自我を失わないようにするのに必死なウエスターレンは

ダイヤの暴走まで構っていられないからだ。


「…そ~ですか。無理は禁物ですよ?はい。アメちゃんど~ぞ。」

ポンと机に置いて笑顔を見せた


「……あぁ…有難う…」

ウエスターレンは固まってダイヤを見ていた


「?」

不思議そうに横目で見ながら再びPCを打っていた


「ウエスターレン…」

声と共にダンケルが姿を現した


「あら?陛下?珍しい…」

ダイヤは驚きながらもニコニコしていた


「ダンケル!?」




ウエスターレンは焦って言った


「…ちょっと良いか…」

ダンケルは部屋の外に出て行った。


ウエスターレンも一瞬固まったが

立ち上がり後に続いて出て行く。

ダイヤは目で追って不思議そうに首を傾げた



…ダイヤは仕事を終え、時計を見ると数時間経っていた。


「…何処に行ったのかしら??」


やっと仕事が終わっても2魔は戻って来ない。

珍しい事もあるんだな…位しか思ってなかった。

仕事を終えたのでお菓子でも、と思い

引き出しから出してモグモグ食べていると

ドアが開きダンケルとウエスターレンが戻ってきた


「長官、仕事終了しましたので頂いてます」

ダイヤが言っても無言で見つめるダンケルとウエスターレン。


「…ダイヤ今日は帰っていい。」

ウエスターレンは呟いた


「…え?まだ帰る時間ではないのですが…」


「…いいから帰れ。

お前、最近仕事し過ぎてるから、少し休め。

こっちの事は大丈夫だ。ダンケル…後は宜しくな」


いつもと様子が違う…ダイヤは眉を潜めた


「休め?なんで??」

ダイヤが言いかけた途端

「さぁ帰ろう。ダイヤ」





ダンケルはダイヤの腕を掴み立ち上がらせた


「…陛下?ちょっと待って。長官何かあったのですか?

先程から…聞いてます?私の話…」


「……」


ウエスターレンは目を反らし煙草を吸い始めた


「いいから帰るぞ!ダイヤ」

ダンケルは強めに言い、

瞬間移動でダイヤと共にその場から消え去った


残されたウエスターレンは深いため息をつき、

煙草を吸ってずっと考えていた…




 
 
 

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