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百花繚乱

  • 2024年10月3日
  • 読了時間: 3分

悪魔として目覚めた後、

イザマーレとリリエルは、濃密な契の時間を過ごした。

数週間後、ダンケルへの正式な報告の為、

ウエスターレンと共に魔宮殿を訪れた。


ダンケルへの謁見を済ませ、仮設の王室を出たところで、

破壊された王室の復旧作業のため、

現場を指揮していたベルデに会う。


「和尚!」


「やあ、リリエルちゃん。その後はどう?

魔力のコントロールが難しいようなら、いつでも相談してね」


「閣下から聞きました。儀式と施術については

和尚がサポートしてくださったと。ありがとうございます。」


ベルデとのやり取りを、見つめていたイザマーレとウエスターレン。


復旧作業に駆り出された下っ端悪魔の中には、不満を持つ者もいた。


「…ちっ 何だって俺たちがこんなことに

駆り出されなきゃならないんだ?

俺たちが逆立ちしても住めないような豪華なものをなあ!

全く、王家ってやつは………」


「…ったく、俺の目の前でよくも……」


聞きつけたウエスターレンが、手に炎を出し焼き払おうとした時、

その悪魔の前にリリエルが瞬間移動した。


「…ご苦労をおかけして申し訳ありません。

私のために、皆様にもご迷惑をおかけしております」




下っ端悪魔の目線に合わせて跪き、

ねぎらいの言葉をかけるリリエル。


「…!えっ、あ………いや(汗)」


いきなり現れた、魔界であまり見かけないタイプの

ふんわりした美貌の女性に、思わず見惚れていた悪魔は

彼女がイザマーレの妃と知り、驚きを隠せない。

てっきり、もっと高慢で嫌な女に違いないと

思い込んでいたのだ。


「そうだ!よろしければ、こちらをどうぞ。

人間界で販売していた物なので、お口に合えば良いのですが………」


そう言って、小さい乳酸菌飲料を魔力で取り出し、悪魔に差し出す。


「!えっいいんですか?いや、こりゃありがたいな。しかも美味いっ」


悪魔の反応に、にっこりと微笑むリリエル。

「よかった♪ あ、良かったら皆様もどうぞ」


遠巻きに見ていた他の悪魔も集まり、

いつの間にか、現場に漂っていた不穏な空気は消えていた


「…先日も思ったんだけど、リリエルちゃんて凄いよね」

一連の動きに感心したベルデが呟く


「なんだよ、今更分かったのか?ベルデ。

イザマーレの暴走を抑え込むのに

重要な役割を果たしているのは

リリエルのああいう性格なんだぞ」

自分の事のように誇らしげに語るウエスターレン。


全てを見守っていたイザマーレは、微笑みを浮かべる

「リリエル、おいで。そろそろ行くぞ」


「あ!はーい。…では、失礼しますね。

良かったら、またお邪魔して良いですか?

これからも、差し入れさせて貰いたいのですが……」




「!ホントに??やったー!!」



歓喜の声をあげる悪魔たちに微笑みかけながら、

イザマーレの元に戻るリリエル。


「ふふっ閣下に教えていただいたように

瞬間移動できるのか、試してみたくて♪」


あくまで天真爛漫なリリエル。

イザマーレは優しく髪を撫で微笑み返す。


「吾輩の妃として相応しい魔力が備わってるからな。

呪文などを使わずとも、お前の心の動きに応じて扱えるはずだ。

さ、戻ろう。ウエスターレン、帰るぞ」



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