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花を請う


巡回も終わり、ダイヤは情報局に戻って業務日誌をパソコンで入力していた。

時々入力の手の動きが止まり、ため息を小さく付いていた。

入力し終わっても画面を見詰めたまま固まっている。

顔を両手で叩いて一息付くダイヤ


その様子を煙草を吸いながらウエスターレンは見ていた

「巡回中に、何かトラブルでもあったか?」

ウエスターレンが細い目をして聞いてきた


ダイヤは笑って答える

「いいえ?有りませんでしたよ~!

…長官、リリエル様はお屋敷に居ますか?」

ダイヤは目を泳がせ言った


「今はイザマーレと一緒に居て、扉を消している。」


「あぁ(笑)そうですかぁ~!ラブラブですねぇ♪

長官は出てくるのを待ってる状態かぁ…」

お茶を飲んで微笑んだ


「…リリエルに用事か?」


「……あの…リリエル様が部屋から出てきたら

伝言して欲しいのですが…私が逢いたいと…」


「…?分かった。いつになるか分からんぞ?」

ウエスターレンはニヤニヤして言った。


しかし、それでも何か迷っている様子のダイヤ


「…長官…お話が…」


ダイヤがウエスターレンに相談することなど今まではなかったが…

重い口を開いてルイの事を話した





「…それに…やたらと陛下の様子を聞いてくるし…

人間界では恋人だったとか…肌の相性が良いだのと…(怒)

焼きもちやいちゃいました(^-^;

その内に魔宮殿に乗り込んで来そうだな…

そんな女性初めてだわ…堂々としてるし…

ましてや麗ちゃん…って…(怒)お前誰だよ?…」


ダイヤはイライラしてたが、

ウエスターレンは何も言わずじっとダイヤを見ていた


「…すみません…愚痴っちゃって(^_^;)久々にイライラしちゃって…」


昔ならウジウジ泣いていたダイヤが、

女に対して焼きもちを焼いてイライラしている。


「お前…また暴走か?」

ウエスターレンが呆れて聞いてくる


「いや…もう私は暴走はしないですよ。ただ…」

腕を組んでダイヤは考えている


「ただ…なんだ?」


「ルイって女が…陛下に暴走しそうな気がしてならない。

私に向かってくるなら良いけど…陛下に危害が来たら…心配で…」


本気で悩んでいる様子だった。


(いや…お前に危害が来てもヤバイんだよ…自覚がねぇな…)

ウエスターレンは直感で怪し過ぎると感じた


「その事をリリエル様にお話したいので、

出てきてから伝えてもらいますか?」


「分かった」

ウエスターレンはダイヤに約束した



 
 
 

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