パン生地こねるリリエル
- RICOH RICOH
- 2024年10月28日
- 読了時間: 7分
「紫蘭の試練」の裏ストーリー
暴走と言えば…と思ったら、やはり♪
この方が大活躍してくださいました(*^▽^*)
さて、スプネリアとラァードルが痴話喧嘩とケシカランの真っ最中
プエブロドラドのレストランで1魔、
黙々とパン生地をこねるリリエルの姿…
無防備な状態で元老院を飛び出したスプネリアのおかげで
めったにない御馳走に色めき、欲望の赴くままに舌なめずりする
無数の低級悪魔たちが、プエブロドラドを取り囲んでいるのだ
自我を失い、欲望の塊と化した彼らは、今や凶暴な猛獣と変わらない
そんじょそこらの魔力では抑え込む事もできないのだ
時折、元老院の様子をモニター越しに映してもらいながら
努めて冷静に、大量の生地をこね続ける
市場から急遽、大量の材料を調達してもらい、
ウエスターレンは次々にレストランに運び込む
美味しそうな幸せな匂いが漂い始めたレストラン
リリエルを守るために、強力な結界を施しながら
イザマーレも働く彼女の様子を穏やかに眺めている
「…お前、今回は何も言わないんだな?リリエル」
「コンプレックスって言われても、
何それ、美味しいの?っていうくらい、
よく分からなくて…(^-^; それに、さっきの閣下、素敵でしたから💕
それだけで、嬉しくなっちゃって…」
プエブロドラドの危機でありながら、これほどの状況では
ダイヤも成す術がなく、リリエルの力に委ねるしかない
その代わり、キッチンから漂ってくる甘い匂いに惹かれ、
ワクワクしている
リリエルとイザマーレの相変わらずなイチャつきっぷりに呆れつつ
ニヤニヤしながらその会話に割り込もうとする
「リリエル様、私もパン食べたい🥺」
「見てないで手伝え💢」
そんなダイヤに苛立ち、怒鳴りつけるイザマーレ
「(´∀`*)ウフフ
フカフカのパン生地は気持ちいいんだよ💕
閣下もやります?💕💕💕」
「成形は、一緒にやろうか💕」
ニコニコ微笑むリリエルに、ダイヤの事は放置して
2魔きりの世界を作り出そうとするイザマーレ
ただ丸めるだけでは飽き足らず、
可愛いうさぎちゃんの形にしていく副大魔王
2魔の甘い雰囲気に割り込めず、モダモダしているダイヤに
リリエルが声をかける
「ダイヤ様も一緒にやろうよー
なにせ、大量に作らないといけないんだから💦」
リリエルへの焼きもち、更にイザマーレに堂々と公開処刑され
渦巻く感情をパン生地に込め、黙々と丸めていくダイヤだったが…
「ダイヤ様💦あまりギューギューしちゃうと膨らまないよ💦」
リリエルにやんわりと窘められてハッとする
「ほ、ほら、小さなパンも必要かと…💦
ギューギューしたのは閣下に差し上げますわ💢💢💢
全く!!相変わらずお似合いなんだから~ワサビ入れちゃうぞ!!(笑)」
「何言ってるんだ、お前は…リリエルの作るパンを台無しにしたいのか!!」
相変わらず、丁々発止で怒鳴りつけるイザマーレ
「もう~閣下もダイヤ様も(笑)
じゃ、表面に溶き卵を塗ってもらおうかな」
「ラジャ〜」
そんなリリエルに喜んで従うダイヤ
「トロトロ、ネバネバなもん塗るんだな、リリエル♪」
「艶出しですよ…っていうか!!セクハラ禁止💦💦」
「このフカフカのパン生地も…触り心地抜群だよな💕」
「閣下💢セクハラだわ💢最低!!」
と爆笑するダイヤ
「あのなあ、大量のパン生地こねるのに忙しくて、
ずっと放置されてる吾輩の身にもなれ!!」
開き直る副大魔王
「セクハラってのは言葉だけで、行動が伴わないからだろ?
実際に可愛がればセクハラとは言わんな?」
屁理屈王子に歩み寄られ、喰われそうになるリリエル
「パン出来上がるまではダメです💦💦💦」
再び、夫婦漫才のようになった2魔に呆れながらも
ニヤニヤして作業をすすめるダイヤ
「さて♪ダイヤ様、ありがとう♪もう後は焼くだけだわ」
ルンルンとオーブンへ投入していくリリエルの後ろで
悔しさのあまり、わさびをちゅ~っと中に入れて
イヒヒとほくそ笑むダイヤ
「おい、なにしてやがる!!」
見逃すわけがないイザマーレに、当然怒鳴られるダイヤ
リリエルは呆れながらも、ある事を思いついた
「…ワサビか。悪魔の皆さまは意外と好きかしら…
ちょっとだけ表面に塗って、お醤油風味にしたら…
それなら明太子とかも美味しいかも…♪」
キッチンの奥にある冷蔵庫から、早速調味料を取り出すリリエル
「ダイヤ💢💢お前のせいで
リリエルに絡める時間がもっと少なくなったではないか‼️」
焼きあがったばかりのワサビパンを、早速食べてみるダイヤ
フカフカ幸せ過ぎて、イザマーレの嫌味など全く気にならない
「閣下、美味いよ、これ〜😍食べなよ〜」
「お、美味いな💕」
イザマーレも明太子パンを味見してご満悦だ
美味しすぎて食べ過ぎ、動けずにいるダイヤ
「ちょっと!どんだけ食べたの💦
これから、悪魔たちに配るのよ💦💦💦」
呆れ顔のリリエルにちぎったパンを食べさせ、
「お疲れ、リリエル。よく頑張ったな♪」
優しく髪を撫でるイザマーレに、リリエルも微笑む
「ダイヤ考案よ〜✧\(>o<)ノ✧」
「お前はワサビをチューってしただけだろが💢💢」
再び言い争い始めるイザマーレ達を後目に
「閣下。リリエルは、これ配ってきますね💕」
大型のワゴンに乗せて、プエブロドラドの入口まで向かうリリエル
待ちわび過ぎて、ますます猛獣と化した悪魔たちが
よだれを垂らしてリリエルの周りを取り囲む
リリエルはニッコリ微笑みながら、声を掛ける
「みなさん、今日はビックリさせてごめんなさいね
私からのほんの気持ちです
これ受け取ったら、それぞれの持ち場に帰ってくださいね💦」
リリエルのほんわかした態度に、一瞬毒気を抜かれながら
受け取ったパンと乳酸菌飲料を黙々と味わう悪魔たち
「お妃様💕……おかわりしちゃダメ?」
「また作りますから💦今日は一つだけにしてね」
「ふーん…
隣のツンツンウニ頭を代わりに喰っていい?」
「喰っちゃだめ💦😅大魔王后だからね💦💦」
聞いていたダイヤは引きつり、恐怖に慄く
「ギャァァァ!!怖え〜💦
や、ヤクルト差し上げるから帰れ〜💢💢💢」
普通に会話を成立させるリリエルに驚愕し、震えていながら
どうにかサポートしようとするダイヤ
「ダイヤ様…
ここは良いから、プエブロドラドの皆さんに配ってきてくださる?😅」
「ガッテン承知の助だわ💦食いたいって言ったそこの悪魔💢
いつか後悔すんぞーっだ💢💢( ゚∀゚)o彡゜バーカバーカ!」
言い捨てて、走り去るダイヤ
ダイヤの暴言のおかげで、収まりかけた場の空気が再び荒れ出す
「お妃様💢💢何アイツ」
「あんな、不味そうなウニ頭要らない!!
お妃様喰っちゃ……だめ……ですね💦💦💦」
そこまで言い始めて、後ろにいるイザマーレに気づき、震え上がる悪魔たち
「今日だけは見過ごしてやるから、黙って帰れ💢良いな💢💢」
悪魔たちにも、逃げ去ろうとしたダイヤにも怒鳴り散らすイザマーレ
「私なんか喰っても、美味しくないし、お腹いっぱいにならないでしょ?
閣下の我慢超えたら、明日から何も作ってあげられないわよ💕」
イザマーレの怒りと、リリエルの微笑みにハッとする悪魔たち
察して、スゴスゴと帰って行く
「そうだよ、お妃様は喰っちゃいかん!何言ってんだよお前」
「なあ、大魔王后って、リリエル様じゃないの??」
「馬鹿言え、お妃様の相手は副大魔王様に決まってんだろ」
「…そうだよなあ、俺も、リリエル様と副大魔王様の言う事なら従う💕」
「ウニ頭は要らん」
「へえ~…大魔王様はウニ頭がねえ…」
などと、ブツクサ言いながら…
そして、現場を散々かき乱し、荒らしまくって逃げ去ったダイヤ
きっとイザマーレから呼び出しを受け、叱られまくる…
そんな事を僅かに期待していたのだが…
散々、お預けを喰らっていたイザマーレは
とっくの昔にリリエルとプライベートルームの扉を消しており
代わりに、ダイヤの部屋には
ワサビたっぷりのパンと、野菜サンドパンが届けられていた…
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