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パン生地こねるリリエル


「紫蘭の試練」の裏ストーリー


暴走と言えば…と思ったら、やはり♪

この方が大活躍してくださいました(*^▽^*)




さて、スプネリアとラァードルが痴話喧嘩とケシカランの真っ最中

プエブロドラドのレストランで1魔、

黙々とパン生地をこねるリリエルの姿…


無防備な状態で元老院を飛び出したスプネリアのおかげで

めったにない御馳走に色めき、欲望の赴くままに舌なめずりする

無数の低級悪魔たちが、プエブロドラドを取り囲んでいるのだ


自我を失い、欲望の塊と化した彼らは、今や凶暴な猛獣と変わらない

そんじょそこらの魔力では抑え込む事もできないのだ


時折、元老院の様子をモニター越しに映してもらいながら

努めて冷静に、大量の生地をこね続ける


市場から急遽、大量の材料を調達してもらい、

ウエスターレンは次々にレストランに運び込む


美味しそうな幸せな匂いが漂い始めたレストラン

リリエルを守るために、強力な結界を施しながら

イザマーレも働く彼女の様子を穏やかに眺めている


「…お前、今回は何も言わないんだな?リリエル」


「コンプレックスって言われても、

何それ、美味しいの?っていうくらい、

よく分からなくて…(^-^; それに、さっきの閣下、素敵でしたから💕

それだけで、嬉しくなっちゃって…」


プエブロドラドの危機でありながら、これほどの状況では

ダイヤも成す術がなく、リリエルの力に委ねるしかない

その代わり、キッチンから漂ってくる甘い匂いに惹かれ、

ワクワクしている


リリエルとイザマーレの相変わらずなイチャつきっぷりに呆れつつ

ニヤニヤしながらその会話に割り込もうとする

「リリエル様、私もパン食べたい🥺」




「見てないで手伝え💢」

そんなダイヤに苛立ち、怒鳴りつけるイザマーレ


「(´∀`*)ウフフ

フカフカのパン生地は気持ちいいんだよ💕

閣下もやります?💕💕💕」


「成形は、一緒にやろうか💕」


ニコニコ微笑むリリエルに、ダイヤの事は放置して

2魔きりの世界を作り出そうとするイザマーレ

ただ丸めるだけでは飽き足らず、

可愛いうさぎちゃんの形にしていく副大魔王


2魔の甘い雰囲気に割り込めず、モダモダしているダイヤに

リリエルが声をかける


「ダイヤ様も一緒にやろうよー

なにせ、大量に作らないといけないんだから💦」


リリエルへの焼きもち、更にイザマーレに堂々と公開処刑され

渦巻く感情をパン生地に込め、黙々と丸めていくダイヤだったが…


「ダイヤ様💦あまりギューギューしちゃうと膨らまないよ💦」


リリエルにやんわりと窘められてハッとする


「ほ、ほら、小さなパンも必要かと…💦

ギューギューしたのは閣下に差し上げますわ💢💢💢

全く!!相変わらずお似合いなんだから~ワサビ入れちゃうぞ!!(笑)」


「何言ってるんだ、お前は…リリエルの作るパンを台無しにしたいのか!!」


相変わらず、丁々発止で怒鳴りつけるイザマーレ





「もう~閣下もダイヤ様も(笑)

じゃ、表面に溶き卵を塗ってもらおうかな」


「ラジャ〜」

そんなリリエルに喜んで従うダイヤ


「トロトロ、ネバネバなもん塗るんだな、リリエル♪」

「艶出しですよ…っていうか!!セクハラ禁止💦💦」

「このフカフカのパン生地も…触り心地抜群だよな💕」


「閣下💢セクハラだわ💢最低!!」

と爆笑するダイヤ


「あのなあ、大量のパン生地こねるのに忙しくて、

ずっと放置されてる吾輩の身にもなれ!!」


開き直る副大魔王


「セクハラってのは言葉だけで、行動が伴わないからだろ?

実際に可愛がればセクハラとは言わんな?」


屁理屈王子に歩み寄られ、喰われそうになるリリエル


「パン出来上がるまではダメです💦💦💦」


再び、夫婦漫才のようになった2魔に呆れながらも

ニヤニヤして作業をすすめるダイヤ


「さて♪ダイヤ様、ありがとう♪もう後は焼くだけだわ」


ルンルンとオーブンへ投入していくリリエルの後ろで

悔しさのあまり、わさびをちゅ~っと中に入れて

イヒヒとほくそ笑むダイヤ


「おい、なにしてやがる!!」

見逃すわけがないイザマーレに、当然怒鳴られるダイヤ




リリエルは呆れながらも、ある事を思いついた


「…ワサビか。悪魔の皆さまは意外と好きかしら…

ちょっとだけ表面に塗って、お醤油風味にしたら…

それなら明太子とかも美味しいかも…♪」


キッチンの奥にある冷蔵庫から、早速調味料を取り出すリリエル


「ダイヤ💢💢お前のせいで

リリエルに絡める時間がもっと少なくなったではないか‼️」


焼きあがったばかりのワサビパンを、早速食べてみるダイヤ

フカフカ幸せ過ぎて、イザマーレの嫌味など全く気にならない


「閣下、美味いよ、これ〜😍食べなよ〜」


「お、美味いな💕」

イザマーレも明太子パンを味見してご満悦だ


美味しすぎて食べ過ぎ、動けずにいるダイヤ


「ちょっと!どんだけ食べたの💦 

これから、悪魔たちに配るのよ💦💦💦」


呆れ顔のリリエルにちぎったパンを食べさせ、

「お疲れ、リリエル。よく頑張ったな♪」

優しく髪を撫でるイザマーレに、リリエルも微笑む


「ダイヤ考案よ〜✧\(>o<)ノ✧」


「お前はワサビをチューってしただけだろが💢💢」


再び言い争い始めるイザマーレ達を後目に

「閣下。リリエルは、これ配ってきますね💕」

大型のワゴンに乗せて、プエブロドラドの入口まで向かうリリエル





待ちわび過ぎて、ますます猛獣と化した悪魔たちが

よだれを垂らしてリリエルの周りを取り囲む


リリエルはニッコリ微笑みながら、声を掛ける

「みなさん、今日はビックリさせてごめんなさいね

私からのほんの気持ちです

これ受け取ったら、それぞれの持ち場に帰ってくださいね💦」


リリエルのほんわかした態度に、一瞬毒気を抜かれながら

受け取ったパンと乳酸菌飲料を黙々と味わう悪魔たち


「お妃様💕……おかわりしちゃダメ?」


「また作りますから💦今日は一つだけにしてね」


「ふーん…

隣のツンツンウニ頭を代わりに喰っていい?」


「喰っちゃだめ💦😅大魔王后だからね💦💦」


聞いていたダイヤは引きつり、恐怖に慄く

「ギャァァァ!!怖え〜💦

や、ヤクルト差し上げるから帰れ〜💢💢💢」


普通に会話を成立させるリリエルに驚愕し、震えていながら

どうにかサポートしようとするダイヤ


「ダイヤ様…

ここは良いから、プエブロドラドの皆さんに配ってきてくださる?😅」


「ガッテン承知の助だわ💦食いたいって言ったそこの悪魔💢

いつか後悔すんぞーっだ💢💢( ゚∀゚)o彡゜バーカバーカ!」

言い捨てて、走り去るダイヤ




ダイヤの暴言のおかげで、収まりかけた場の空気が再び荒れ出す


「お妃様💢💢何アイツ」

「あんな、不味そうなウニ頭要らない!!

お妃様喰っちゃ……だめ……ですね💦💦💦」


そこまで言い始めて、後ろにいるイザマーレに気づき、震え上がる悪魔たち


「今日だけは見過ごしてやるから、黙って帰れ💢良いな💢💢」

悪魔たちにも、逃げ去ろうとしたダイヤにも怒鳴り散らすイザマーレ


「私なんか喰っても、美味しくないし、お腹いっぱいにならないでしょ?

閣下の我慢超えたら、明日から何も作ってあげられないわよ💕」


イザマーレの怒りと、リリエルの微笑みにハッとする悪魔たち


察して、スゴスゴと帰って行く

「そうだよ、お妃様は喰っちゃいかん!何言ってんだよお前」

「なあ、大魔王后って、リリエル様じゃないの??」

「馬鹿言え、お妃様の相手は副大魔王様に決まってんだろ」

「…そうだよなあ、俺も、リリエル様と副大魔王様の言う事なら従う💕」

「ウニ頭は要らん」

「へえ~…大魔王様はウニ頭がねえ…」


などと、ブツクサ言いながら…


そして、現場を散々かき乱し、荒らしまくって逃げ去ったダイヤ

きっとイザマーレから呼び出しを受け、叱られまくる…

そんな事を僅かに期待していたのだが…


散々、お預けを喰らっていたイザマーレは

とっくの昔にリリエルとプライベートルームの扉を消しており

代わりに、ダイヤの部屋には

ワサビたっぷりのパンと、野菜サンドパンが届けられていた…





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