休み前のある日
- RICOH RICOH
- 2024年10月20日
- 読了時間: 2分
生徒にとって鬱陶しいテスト期間も終わり、
夏休み前の気の抜ける時期
職員室に戻った裕子はため息をつく
「ゆうちゃん先生、お疲れ様です!どうしたの…?」
先に戻り、PCに通信簿の入力をしていたダイヤは
にこやかに話しかける
「生徒が、人気な授業やイベントがある時に教室にいないのは
いつもの事ですが、近頃調子に乗って、
学園の外まで遊びに行ってしまう生徒がいましてね。
何度注意しても、聞く耳持たないんですよ。外は危ないから
中に居るように言ってるんですけど…」
「そうなんだ…守衛さん、よく許してるね」
「その2名って、仲良しで幼馴染なんです。
いつも一緒に居る悪魔はとっても偉大な方なので、
心配はいらないと言われているの。でも、やっぱりねえ…」
「…ふうん。副担任のベルデ先生に相談してみたら?」
「うん、話したの。そしたら『僕に任せて♪』って仰ってくれて///」
そう言いながら、顔をほんのり赤らめる裕子。
そんなやり取りをしている時、学園内にとてつもなく
香ばしい匂いがしてきた
「?!何この匂い?え、今日、校長先生のサロンあったっけ…?」
不思議に思い首を傾げるダイヤ
だがその時、廊下を瞬間移動していく赤い波動が…
「!! え、あれって…」
ダイヤは驚いて、廊下に出て愕然とした
学園中がどんどん煙だらけになっている
いつも学園を抜け出し、裕子を困らせている生徒
スプネリアとラァードルが教室で焼肉をしていたのだ。
異変に気付いた守衛のウエスターレンがすぐさま駆けつける
「お前ら!場所を考えろ!こんな場所で焼肉する奴があるか!!!」
「ええ~、だってさあ。遊ぶなら学園内にしなさいって
ベルデに言われたしぃ。ウエスターレンも食う?
ちょうどいい具合に焼けたよ♪」
悪びれもせず、ラァードルは言い返し、
焼き立ての肉をウエスターレンに差し出す
「まったく、仕方のない奴だ。どうせ楽しむなら、
もっとでっかい事考えろ。いいか?
今乗ってる食材だけ焼けたら、片付けるんだ。分かったな」
「ほんと?!いいの?じ、じゃあさ……海!海行きたい!
学園のみんなも一緒に!どう?」
「やれやれ。分かった。
とりあえず、副理事長に聞いてみてやるから。
それでいいな?」
「!!!!それなら今すぐ、校長先生の所に行ってきます!
私からもお願いって♪」
ウエスターレンとラァードルがやり取りしているのを横目に、
焼肉を頬張り続けていたスプネリアは立ち上がり、
リリエルのサロンへ駆けつけた…
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