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休み前のある日


生徒にとって鬱陶しいテスト期間も終わり、

夏休み前の気の抜ける時期


職員室に戻った裕子はため息をつく


「ゆうちゃん先生、お疲れ様です!どうしたの…?」


先に戻り、PCに通信簿の入力をしていたダイヤは

にこやかに話しかける


「生徒が、人気な授業やイベントがある時に教室にいないのは

いつもの事ですが、近頃調子に乗って、

学園の外まで遊びに行ってしまう生徒がいましてね。

何度注意しても、聞く耳持たないんですよ。外は危ないから

中に居るように言ってるんですけど…」


「そうなんだ…守衛さん、よく許してるね」


「その2名って、仲良しで幼馴染なんです。

いつも一緒に居る悪魔はとっても偉大な方なので、

心配はいらないと言われているの。でも、やっぱりねえ…」


「…ふうん。副担任のベルデ先生に相談してみたら?」

「うん、話したの。そしたら『僕に任せて♪』って仰ってくれて///」


そう言いながら、顔をほんのり赤らめる裕子。


そんなやり取りをしている時、学園内にとてつもなく

香ばしい匂いがしてきた


「?!何この匂い?え、今日、校長先生のサロンあったっけ…?」


不思議に思い首を傾げるダイヤ


だがその時、廊下を瞬間移動していく赤い波動が…


「!! え、あれって…」

ダイヤは驚いて、廊下に出て愕然とした





学園中がどんどん煙だらけになっている


いつも学園を抜け出し、裕子を困らせている生徒

スプネリアとラァードルが教室で焼肉をしていたのだ。


異変に気付いた守衛のウエスターレンがすぐさま駆けつける


「お前ら!場所を考えろ!こんな場所で焼肉する奴があるか!!!」


「ええ~、だってさあ。遊ぶなら学園内にしなさいって

ベルデに言われたしぃ。ウエスターレンも食う?

ちょうどいい具合に焼けたよ♪」


悪びれもせず、ラァードルは言い返し、

焼き立ての肉をウエスターレンに差し出す


「まったく、仕方のない奴だ。どうせ楽しむなら、

もっとでっかい事考えろ。いいか?

今乗ってる食材だけ焼けたら、片付けるんだ。分かったな」


「ほんと?!いいの?じ、じゃあさ……海!海行きたい!

学園のみんなも一緒に!どう?」


「やれやれ。分かった。

とりあえず、副理事長に聞いてみてやるから。

それでいいな?」


「!!!!それなら今すぐ、校長先生の所に行ってきます!

私からもお願いって♪」


ウエスターレンとラァードルがやり取りしているのを横目に、

焼肉を頬張り続けていたスプネリアは立ち上がり、

リリエルのサロンへ駆けつけた…







 
 
 

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