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勿忘草―Prologue―

更新日:2024年10月29日


ある日の事

珍しくラァードルは元老院の外にある喫煙所のイスに座り

少しイラついた感じで紫煙を燻らせていた

その様子を心配しながらただ見守るしかないスプネリア


少しでも気持ちが穏やかになる事を願いつつ、

水出しで入れた冷たいアイスティーと焼き菓子をそっと差し出した


それに気がついたラァードルはアイスティーを手に取り一気に飲み干す


「……ふぅ~スプネリアありがとう。ちょっと落ち着けたよ、ごめんな」


「ううん。ただ煙草吸うペースが早い気がするから、ちょっと心配で……

何にイラついているのか判らないけど、自分をもう少し大事にして欲しいな」


ラァードルの目の前に跪いて見上げながらそう訴える


ラァードルの苛立ちの原因は

バサラとの個悪魔活動がなかなか決まらない事だ

一部はファンクラブ会員に向けて会報は出したが

公にはまだ発表されてない


(バサラもこだわり強いから仕方がないか……)


そう思ったら少し落ち着いた

そして、今目の前にいるスプネリアにこれ以上心配させてはいけない…

気持ちを切り替えないとな、と思ったラァードル


彼女の頭を撫でながら

「スプネリア、今から吾輩の気分転換に付き合ってくれるか?」

「……いいけど、気分転換って何するの?」

「人間界に行く ある場所で買い物したり食べ歩きしてみないか?」

「……行く!ꉂ(ˊᗜˋ*) じゃあ出掛ける準備してくる!」

そう言われ嬉しそうにパタパタと部屋に戻り用意し始める


「じゃあ出掛けるか」

「楽しみ~(*^^*)」




向かった先はアーケード商店街だった

その商店街は結構人通りも多く、人気ある場所で、

色んなお店があり、活気に溢れていた


まずは商店街をゆっくり見て回りながら、色んなお店を見て回る

回っていると美味しそうな匂いが漂う


その商店街で美味しいと評判の唐揚げ屋や鯛焼き、たこ焼き等…


色々あり過ぎて目移りしてしまうが、

唐揚げ、串焼き等買い込みベンチに座って食べながら

MAPを見て歩くコースを決めていく

買い物は後にしてゲーセンから回る事にした


ゲーム好きのラァードルはあるアクションゲームを始めた

その日の高得点を出しご満悦のラァードル

楽しそうに遊んでいる姿を見てニコニコしているスプネリア


次に遊び始めたのはUFOキャッチャーで、

狙いはパンダとネコのぬいぐるみ

どっちが先に取れるかでそれぞれ交互に勝負を始めた

何回か取り損ねるが、もう勝負ではなくなり、お互いが狙っていた

ぬいぐるみが取れると大はしゃぎだった

コインゲームや太鼓の達人など、一通り遊んでゲーセンを出る


何も目的もなく、ただ二名でぶらぶらしながら歩く

気になるお店があれば入ってみる

食べてみたいものがあれば、買って食べてみる

たまたま入った雑貨屋でお互い欲しかった物が割引されているので

計算し合うが数字が合わないので笑いながらも買う




時間を気にせず気晴らしの為に来た商店街だが、

気持ちがどんどん穏やかになっていくラァードル

イラついていても、何も解決しない。笑顔でいる方が楽しい

なにより、傍にいてくれるスプネリアの為にもならないと

気がついた……


出かける前の表情より穏やかな笑顔が増えていくラァードルに

ここに来てから気が付いていた


これからも色んな事があり、

気持ち穏やかでいられない時も増えていくだろう

だからこそ、自分だけはいつでも笑顔で支えてあげたい……

今回の件でますます強く思うスプネリアだった






 
 
 

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