夢台本の真実
- RICOH RICOH
- 2024年10月28日
- 読了時間: 2分
副大魔王による夢台本…
それはいつしか人間の脚本家が感じ取り
悪魔の描いたシナリオとは真逆の結末に書き換えられていく
理由など簡単な事だ
とかく人間というものは、悲劇を好む
他人の不幸ほど、甘い密なものはないからだ
「物語」として留まるだけならまだ良い
中には、悲惨な「現実」となってしまったものもある
リリエルという愛の居ない闇の中で、幾度も裏切られる様を
澄み切った瞳で見届ける事となった、気の遠くなる年月
忸怩たる思いを何度も味わい、懲りたイザマーレ
この物語の前半だけを人間界に送り付け
真の結末だけは守り通そうと、言霊で厳重に保管していた
そのおかげで、またしても
全然納得のいかないシナリオに書き換えられ
それが大ヒットしているわけなのだが…
夢の中で動いていたリリエルが、自らの意思でストーリーを変え
まさしくイザマーレの思い描いていた通りの結末になったのだから
抱きしめなければ、嬉し涙を隠す事もできず、
いつも以上にのめり込んだに違いない…(笑)
だが本当は、その先のストーリーがあったのだ
(そうだ…せっかくだから、たまにはお前も見てくれば良い。
愛する女を侍らせて、極上のオペラを鑑賞して来い♪イザマーレ…)
ウエスターレンはそっと、夢台本のファイルをスタートさせる…
「作成日:副大魔王暦27年7月(※10万14年前)」
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