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天井裏の主


副理事長と校長が扉を消してる最中の学園…


お昼休みになり少ない生徒は好きな場所で食事をしている

しかし今日は学園にいる生徒、職員が一様にざわついていた


学園に降り立った1名の男性…


ブロンドの髪をなびかせ顔の整った美形

光沢のある黒い服を着て、サングラスで目を隠し、

学園内の廊下を歩いていた。


美しさとオーラが凄まじい。

生徒たちは皆、左右に別れる。


その時、ダイヤは職員室でのんびりとお茶を飲みながら

パソコンに向かっていた


「久々に来たわよ!ダイヤ先生見た?」

興奮気味の職員が声をかけてきた。

不思議そうにダイヤは首を傾げ話を聞く


「時々降臨なさるのよ~!」


「…?誰が降臨?」

お茶をひと飲み聞いた


「名前は分からないけど、理事長に会いに来るのよ!凄く素敵なの✨」


「…へぇ~…理事長にねぇ?…」


ダンケルから聞いた事のない話だったが、

公務の来客かな?位しか思わなかった。

ちょうどその時


「ダイヤ先生、理事長が部屋に来るようにと伝達がありましたよ!」

他の職員が慌ててダイヤに言った。


ダイヤは返事をしながら理事長室に向かった。




理事長室の扉をノックして開ける…

ダンケルが嬉しそうにブロンドの男性と話をしていた。


(…職員室の皆が騒いでた悪魔なのか?…)


「おや?可愛い子ちゃんじゃないか」

ブロンドの男がダイヤを見て言った。


ダイヤは会釈して微笑む


「そうだ。私の嫁だ」

ダンケルはダイヤを呼んで言った


「!!お前、嫁取ったのか?」

驚いてダンケルを見て言った


「初めまして。ダイヤと申します。」



頭を下げ言った途端に手を包み込み

「ダンケルの嫁かぁ…俺はミカエル。以後お見知りおきを…」

手の甲にキスをされ真っ赤になる…


「あの…」

ダイヤが戸惑ってるとダンケルが微笑む。




「ダンケル…おめでとう」

ミカエルがダンケルを抱きしめて口唇を重ねた


ダイヤは唖然として2魔を見つめた


「もう…ミカエル恥ずかしいだろ?」

嬉しそうに微笑むダンケルは、既に女性の顔になっている


「俺を魔界に呼ぶとは…子猫ちゃんだけじゃ

我慢出来なかったのか?」


ミカエルはダンケルの髪を撫でて微笑む


「ミカエル…意地悪な事を言うな…分かってるだろ?」



完全に2魔の世界になっていた。


「…ダイヤ、悪いが…」

ダンケルの声にハッとするダイヤ…



「子猫ちゃんも一緒にどうだ?」

ミカエルはダイヤを見つめる


「いや…私はこれにて失礼します」

ひきつり笑顔を作り部屋を後にした。


当分の間、ダンケルは学園にも現れず

魔宮殿のプライベートルームの扉は消えたままだった。





ダイヤが1魔で学園に出勤している事に気づいて

リリエルが声を掛けた。


あの衝撃な現場を見たダイヤは、リリエルに話を聞いて貰った。

ダンケルとミカエルが扉を消したことについて…


ミカエルは天界の者なのに何故魔界に来る事が出来るのか…

天界のオーラがあるミカエルに扉を消してまで、

なぜダンケルが受け入れられるのか…

さっぱり分からなかった。


「焼きもちとかではないんです。

理事長…凄く女性のような…?感じだったし…

何て言ったら良いのか分からないのですが…

ミカエル様を求めてるようだったから…」

首を傾げて不思議に思っていた


「副理事長と守衛のウエスターレン様も扉を消すのよ?」


リリエルの話にダイヤは驚いて固まった

「はい???校長が居るのに??何故??」

益々混乱し始めるダイヤを見つめて、リリエルは微笑んでいた


「あの2魔様は私なんかより、ずっと強い愛で結ばれてるの。

副理事長は両性具有だからBLじゃないのよ💕 

そして、理事長も両性具有なのよ♪」


あまりにも初めてな話に、ダイヤは驚いて話を聞いていた


「ダイヤ先生がお嫁に来る前は、理事長ったら

時間さえ見付ければ副理事長を求めて来ていたの。

ウエスターレン様も困っていたわ…

だから、ダイヤ先生がお嫁になってくれて本当に良かったわ🎵」


「…でも…副理事長を求めるのは分かる気がしますが…

ミカエル様って…天界の方ですよね???」




ダイヤはふと疑問に思った…。

魔界を総括しているダンケルが、宿敵であるミカエルと扉を消すのは

さすがにまずいのではないか…


内戦が起こり兼ねないと心配になっていた


「ミカエルは吾輩の片割れだ。天界の者とは違う」

リリエルの横にイザマーレが現れ、リリエルの髪を撫でて言った。


ミカエルの事を改めて聞き、ダイヤはやっと納得が出来たのだった…


数日後やっとダンケルのプライベートルームの扉が現れた。

ミカエルはイザマーレに怒られる事を察知したのか

扉が現れる前に天界へ戻ったようだった。


ダンケルはダイヤを呼んだが授業中…

ダイヤが来るのを待っていた。

ミカエルを求めていたとは言え、ミカエルとのキスをダイヤに見せ付け

出て行かせた事もあり…何気に気にしていた


授業も終わりダイヤが嬉しそうにダンケルの元へ姿を表した。

ダンケルは即抱きしめた。

ミカエルとの事は気にしてはいないとダイヤは言っていたが…

真面目なダイヤの心は未だに複雑のようだった。


しかし…ダイヤがダンケルの色に染まるのもすぐそこまできていた…




 
 
 

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