小競り合い
- RICOH RICOH
- 2024年10月20日
- 読了時間: 4分
夜になり学園の職員と一部の生徒達で宴会になった。
勿論大酒飲みの悪魔が多いため、広い宴会場は貸し切り。
本悪魔になっても構わないよう結界も張り巡らせている。
宴会も始まり少し経った頃、
イザマーレとリリエルが風呂から上がり
浴衣で宴会場にやって来た。
リリエルは淡い水色の布地に、百合の花があしらわれ、
同系色の帯締めで上品な装い。
髪をゆるくまとめ上げ、うなじが眩しい
イザマーレは色の濃いオレンジと黒の派手目な浴衣だが
それ以上に強い存在感とオーラ。
サラサラの金髪をゆるめに結んでいる
副理事長のカッコいい世仮姿に一気に視線が集まり
その場に居た生徒たちが一挙に押し掛ける
イザマーレは周りから掛けられる声を適度にあしらい続けていた
リリエルはダンケルとダイヤが座っている前に立ち止まった。
「あら!リリエル先生やっと来た(^^♪」
ダイヤはニコニコして言った
「理事長!砂まみれになったじゃない!」
リリエルが言い放つが
ダンケルは無視しダイヤを見つめニコニコしている。
それに気が付いたイザマーレが焦ってやって来る。
ダンケルの前に来て会釈しリリエルを席に連れていった
「…」
ダイヤはダンケルの顔を横目に見ていた。
イザマーレを見たダンケルが女の顔になって、
リリエルを睨んで見ていた。
その様子にダイヤは苦笑いをしていた。
今回の遠足はダンケルが珍しく来ている事もあり
職員がダンケルの周りに集まり話をしている。
ダイヤは少し離れて1魔飲んでいた。
そろそろ酔い始めたので酔いを冷まそうと
烏龍茶を飲もうとしていたが
セリーヌとバサラが近寄ってきてダイヤに酒を注ぐ…
「ほらぁダイヤちゃんドンドン飲まないとぉ!」
セリーヌもガンガン飲んでいる。
「いやいや…これ以上飲めないから…」
ダイヤか焦りながら何気なくダンケルを見た。
今まで居た場所からダンケルが居なくなっている。
バサラに注がれた酒を飲みながらダンケルを探す。
案の定…
ダンケルはリリエルの目を盗み、
イザマーレに抱きつこうと迫っていた。
イザマーレも邪険に出来ずダンケルを宥めている。
「…校長に怒られてしまえ~…」
ダイヤは座った目で呟きながら酒を飲み干す
「…ガンガン飲もう~!バサラ先生、酒」
バサラの前に開いたコップを差し出す。
「ダイヤちゃん乗ってきたね~!いいよ~!」
バサラも注ぎながら笑った。
ダンケルがイザマーレに抱きつこうと迫ってる事に
気が付いたリリエルは、慌ててイザマーレの膝の上に座り、
しがみついてダンケルと睨み合う。
リリエルも相当出来上がっていた。
いつもならウエスターレンが直ぐに
ダンケルを止めるはずだったが…
ウエスターレンもザルの様に飲みまくっている。
エレジアと盛り上がり、完全に酒に飲まれていた
「副理事長は~私のものなのだぁぁ!!」
泥酔い寸前のリリエルが言い放ち、
イザマーレに頬をすりすりしている
ダンケルは益々イライラして
イザマーレをわざと引き寄せようとする。
リリエルもイライラして収集が付かなくなっている。
「陛下、リリエルの酔いを醒まして来ます。後程また…」
イザマーレがダンケルにさりげなく言った。
リリエルを途轍もなく愛してやりたくなっていた
「絶対に理事長にイザマーレ様を貸さないも~ん!」
リリエルがニコニコしている。
イザマーレに抱き上げられ嬉しそうだ。
イザマーレは軽く頭を下げ、リリエルと共に消えていった。
ダンケルは渋々諦め、ため息を付いて元の席に戻る
「楽しく飲んでるか?」
ダンケルがダイヤの髪を撫でて隣に座った。
見つめ返したダイヤはダンケルの傍に寄り、押し倒していた
「…ほぉ…ダイヤ…どうした?」
少し驚きながらニコニコしてダイヤを見上げて言った
「…陛下…愛してます…襲っていい?」
のし掛かったダイヤはダンケルの胸に顔を埋めて甘えている。
かなり酔ってるのが分かる。
「…私を襲うだと?それは楽しみだな…」
ダンケルはダイヤの頭を撫でて起き上がった
「…キスしても…いい?…陛下を喰いたい…」
顔を上げたダイヤが目を潤ませてダンケルに囁いた。
「…良かろう…いい度胸だ。喰ってもらおうではないか…」
滅多に見せないダイヤの本音に
ダンケルも喜んで抱き寄せ、消えて行った…
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