top of page

恋人のように


人間界のリリエルの部屋で愛し合った日から、

しばらくの間、リリエルがイザマーレを呼ぶことはなかった


折れかけた心を立て直し、生活を整え、

今いる幸せを守り通そうと、必死に闘い続けていた


そんなリリエルが、再び涙を流し、

無意識にイザマーレを呼ぶようになったのは

娘のリリが思春期を迎えた頃だった


各会場に足を運んでは、

一人泣き続けるリリエルの姿

その都度、言霊を与え、励まし続けた


自身がオフになると、毎回リリエルの職場に足を運び

「アーティストとファン」を装いながら

多くの時間を共にした


この頃になると、

イザマーレの来訪を心待ちにするようになり

会いに行くたび、昔と変わらない笑顔を見せるリリエル


本当の恋人のようにデートをして

魔界の屋敷に連れ込み、愛し合うようになった

プライベートルームのベッドで、何度も肌を重ねる

屋敷に連れ帰る度、他人行儀になるリリエルに

伝えたい言葉を隠して…


(遠慮はいらない。お前のいるべき場所は、ここなのだ…)



 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

コメント


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page