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悪魔の休日


パンケーキパーティー当日

良い天候に恵まれ、せっかくだからと

元老院の庭で開催する事にしたラァードルとスプネリア


使用魔達にも手伝って貰い、朝からせっせとセッティングを完了させ

ドリンクもいろいろと取り揃えて準備万端だ


時間になり、現れたイザマーレとリリエル、ウエスターレンを

庭に案内する


テーブルの各席に座った3魔に、コーヒーを出してもてなす

「砂糖、ミルクはテーブルの真ん中にセットしてあるのでご自由どうぞ」


「先日は人間界のボランティア活動にご尽力頂きありがとうございました

お口に合うか判りませんが精一杯心込めて焼きますのでよろしくお願いします」

と頭を下げ挨拶するスプネリア


「ご苦労。今日はありがとな。楽しみにしているぞ。

リリエルとウエスターレンもな♪」


「そうそう、リリエルなんて

『今日はスプネリア様のパンケーキが食べれる~♪』って

朝からウキウキしていたもんな♪」


「///////キャーそんな事バラさなくてもいいじゃないですか~♪」


恥ずかしそうに言いながらも仲の良い3魔の姿に

ほっこりするスプネリア


「じゃあ、焼いてきますから、殿下もここで待ってて」




ほど良く温まったホットプレートに、

少し小さめに生地を置いてゆっくり焼いていく

じんわりと膨らみポツポツあいてきた焼き穴を見極め、ひっくり返していく

キツネ色にキレイに焼けたのを確認してホッとするスプネリア

お皿に二枚ずつ乗せ、使い魔に運んでもらう

別盛りでカットしたフルーツや生クリーム

バター、シロップ等もセットする


「トッピングも沢山用意したのでお好みでどうぞ♪

閣下は甘いものが苦手だとお聞きしたので、

甘さ控え目にしたのですがどうでしょう?」


「うむ、ちょうどいい位かな。吾輩はトッピングなしがいい感じだ」


「スプネリアのパンケーキ美味しいでしょ?

リリエルちゃんはもう少し甘めの方が良かったのかな?」

生クリームやフルーツを沢山乗せて食べながら訊ねるラァードル


「砂糖全く入れず、もう少し薄めに焼いたら

朝食に良いかもしれんが、これはこれでありだな」

「でも、スプネリア様が私たちの事を気遣って焼いてくれたのが

よく判って嬉しいです。すっごく美味しいですよ♪(*^^*)」

リリエルもウエスターレンも褒めながら、美味しそうに食べている


「実はパンケーキ焼くのもかなり久しぶりなんですよ」

まだ食べ足りないラァードルの為に次の分を焼きながら

ニッコリ笑いながら答えるスプネリア


そんな彼女を見て嬉しくなるリリエル




食の細いイザマーレ。何とか1枚は食べたが、

ラァードルの甘さマシマシにやられていた


「悪いな、スプネリア。吾輩はこれでお腹いっぱいだ💦

ラァードル、残りの1枚、勿体無いから食ってくれ」


「え?いいの?やったネ!いただきまーす!」


「クスクス…閣下。ありがとうございます。

はい、甘くないコーヒー淹れましたよ♪」

リリエルがにっこり微笑んで、イザマーレにカップを差し出す


甘いのが苦手で、食も細いイザマーレが、リリエルのために

付き合ってくれたことが嬉しくて仕方ないのだ


「…お野菜を練りこんだり、甘くないように工夫すれば

お休みの日の朝食にも出来そうですね。オルド先生に

今度相談させてもらおうっと♪」



やがて、そのテーブルからは早々にリタイアし、少し離れたところに

ウエスターレンと座り、甘くないコーヒーを飲みながら、

楽しそうにしているリリエルを眺めて満足しているイザマーレ


そんなイザマーレが可愛らしくて、

ウエスターレンも思わず髪を撫でてやる


大量に焼いてもらったパンケーキをペロリと平らげ、

満足したラァードルも同じ場所にやってきて、

いつものようにコソコソと話をし始めるのだ




……

今日のパーティーで手伝ってくれた使い魔達にもパンケーキを焼いて、

お礼と労いの言葉をかけながら手渡していくスプネリア

その傍らで、動物の型枠を5つ程ホットプレートの上に置いて

生地を流し込む


それに気がついたリリエルがそばにやってきた

「何コレ!?ネコちゃんとクマさんの型枠なの?

すごーいカワイイ~~♪」


「そうなんです。この前雑貨屋さんで見つけて、

カワイイと思って買ってきちゃいました♪

殿下にもまだ見せてないから、また後で出すつもりです。

でも、閣下はもうお腹いっぱいみたいなのでお土産でどうぞ♪」


「ありがとう♪ 遠慮なくいただきますね(*^^*)」


それからは女同士で話が盛り上がる


リリエルも人間界に住んでいた頃、

よく家族の為におやつでパンケーキを焼いていた事

スプネリアもラァードルがいなくなる前日まで焼いていた事など…


そして、食事としてどう焼くべきか、

プエブロドラドのレストランのシェフに

相談しに行くと聞き、スプネリアは驚いた


「え!?あのレストランのシェフは、

リリエル様のお料理の先生なんですか!?

私もお料理習いたいです!ご一緒させて貰えませんか?

ここの料理長にも教えて貰ってますが、

もっとレパートリー増やしたいので♪」


ウキウキしながらリリエルにお願いするスプネリア


「じゃあ今度一緒に行きましょうか♪

殿下のためにお料理覚えたいなんて可愛い~♪」


「リリエル様も閣下と長官の健康を気遣ってますよね!?

それと同じですよ~(*^^*)」




たわいもない会話の最中

ネコ型のパンケーキを見て、ふっと閃いたリリエル


「これって形は変えられないけど、

デザインを閣下のお顔に出来ないかしら?」


「(*’へ’*) ンー出来ると思いますよ♪

それだったら構成員の皆様出来るかも(*^^*)」


「じゃあプエブロドラドのレストランで、

皆様にお出し出来るかもしれないわね♪

その事も含めてオルド先生に相談しましょうか」


そんな会話を少し離れた席で聞いていた3魔達は

コーヒーを吹き出しつつ

キャアキャア騒いでいる彼女たちの姿を見つめ、

微笑んでいた



 
 
 

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