top of page

新たな悩み


数日後、いつものように食事の用意をするリリエル。


「お待たせしました~。今日はお鍋にしましたよ、閣下♪

長官もどうぞ♪」



「おっ、美味そうだな」

イザマーレはご満悦だ。

「いいね~。」

ウエスターレンも一緒の食卓につく


「…そういえば、バサラも今日、鍋やるって言ってたな」

「1魔でか?寂しいやつだな(苦笑)」


2魔の会話を聞いて、しばし考え込んだリリエル

「…バサラ様もお呼びしましょうか…?」


「いや、あいつにお前の手料理は贅沢すぎる。」

バッサリと切り捨てるイザマーレに

ウエスターレンも同調する。

「…まあな、あいつも子どもじゃないんだ。大丈夫だろ」


「閣下、でも…バサラ様の健康が気になってしまいました…」

やや心配顔のリリエルだが

「リリエル。お前は気にするな。放っておけ。良いな?」

イザマーレは念を押した。



数日後、公務中にバサラが話しかけてきた。

「先日さぁ、番組で鍋作ってたら

リリエルちゃん沢山コメントくれてさぁ。嬉しかったなぁ♪」


「……(怒)」


イザマーレの治まりかけた暴走が、また始まってしまった


「リリエル!お前、バサラの番組にコメントしたのか?(怒)

あれほど、放っておけと言っただろう!」


「えっ、だってだって……バサラ様の事が心配すぎて……(汗)」





(困った誰かを放っておけないのは

いかにもリリエルらしいな)


イザマーレは機嫌を直し、リリエルの髪を撫でながら

「…だからって、屋敷には呼ぶなよ?面倒だからな」

笑顔で念を押す。


そんなやりとりを見守りつつ、ウエスターレンも

「そうだな。バサラのやつ

一度でもリリエルの手料理を食べたら

屋敷に居座りかねないからな(苦笑)」


「閣下がいらっしゃる時に、

お食事くらい…お呼びしても……ダメですか?」

リリエルは上目遣いでお願いするが


「「駄目!!!」」


頑なに固辞するイザマーレとウエスターレンであった……



next                        目録に戻る


 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

コメント


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page