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百合と黒薔薇

更新日:2024年10月28日


その頃、プエブロドラドの入口にたむろしている低級悪魔たちに

「本日のパンと乳酸菌飲料」を配っているリリエル


「お妃様…♪美味いっす」


「(*´艸`*)良いですか?大魔王后の事を

『ウニ頭』なんて言っちゃダメ。

ちゃんと『ダイヤ様』っていうお名前があるんですからね☆彡」


「…面倒。あいつはウニ頭で十分…」

「あいつ嫌い…」


それでもブツブツ呟き続ける低級悪魔たち


「ダメですよ。そんな事が知られたら、

大魔王陛下を怒らせてしまうからね。

せっかく仲良くなれた貴方たちを、そんな事で喪いたくないもの♪」


「…お妃様なら分かるけど…ウニ…あ、いや、ダイヤ?あいつでも

大魔王様、そんなに怒るのか?」


「(*^艸^)クスクスw…当り前じゃない♪ あ、でも忘れないでね。

貴方達に、万が一の事があれば、私が容赦しないんだから♪」


にっこりと微笑むリリエルに、異論を唱える者は誰もいなかった


「…謝った方が良いのか?」


「うーん…それよりも、ダイヤ様がプエブロドラドと魔宮殿を往復する間

貴方たちの力で見守ってあげて欲しいの。お願いできるかしら?」


「…そしたら、副大魔王様に叱られないで済む?」


「大丈夫ですよ。私からもお願いしておきますからね♪」


リリエルの微笑みで低級悪魔達も笑顔が広がっていった




ダイヤは笑顔で住民と挨拶を交わし…

再びプエブロドラドの入口まで点検にしに行く。

気持ち的には行きたくなかったが、さすがにそうも言ってられない

低級悪魔達がまだウロウロしている。


「やっと来たか。もう来ないかと思ったぜ?元気だったか?ダイヤ」


「?!あ、…元気だったかな。お陰様で…」

まともに魔名を呼ばれて驚きながら言った。

固まりながらも点検はしっかり行う


「それは何よりだな。大魔王陛下にも

お手間かけさせるんじゃねぇぞ!!ま、仕事も頑張れよ。」


「…あ、有難う…頑張るわ…」

ぎこちなく言いながら点検を終わらせ顔を上げる


「ダイヤ、来てやったぞ💕💕💕」


『わー!!だ、大魔王陛下ー💦💦』


低級悪魔たちは驚き、声を揃えて叫んでいた


爆音と共に姿を現したのはダンケル…

仕事中のダイヤを心配して見に来たようだった。

ダイヤが居なくなる前に低級悪魔達が弄っていたのも知っていた。

あえて姿を見せる事で圧力をかけてやろうと思った行動だった


「ありゃ💦陛下…ここに来ちゃまずいんでないの?」

ダイヤが焦りながら言ってるのを見て微笑み髪を撫でた


「陛下。こんな所で何をなさっておられるのですか?」


ダンケルが現れたと同時にイザマーレ、ウエスターレン、

そしてリリエルがイザマーレの髪に座り、姿を現した。





「…おいおい…ダンケル…ダイヤの事、言えないじゃないか…」


「私の降臨姿をカッコ良く見せたっていいじゃないか💢なぁ、ダイヤ?」


「…陛下の降臨いつ見ても格好いいから好き😍(*ノェノ)キャー❗」

ダイヤがダンケルに抱きつきニコニコして照れている


「…ダンケル、お前こそ自覚しろ!!夫婦揃って何してやがるんだ💢」


ウエスターレンがイラつきながら紫煙を吹き消す姿に

イザマーレも苦笑する


「まぁまぁ、長官もその辺で…。ところで陛下…(・∀・)ニヤニヤ」


リリエルがイザマーレの髪から降りて、ダンケルに近付き紙袋を渡す


「…な、なんだ?」

ダンケルが受け取りながら引きつった顔を見せた


「私からのお土産です💕ダイヤ様と一緒に召し上がって下さいませ💕」


中にはたっぷりとパンが入っていた…ワサビ入のパンと野菜サンド…


「…き、今日はダイヤを連れて帰ってやる。

この土産も有り難く貰ってやるから

もうダイヤを連れて帰っても大丈夫だな?ウエスターレン💢」


何とか体裁を整えるダンケル

ウエスターレンが頷いた途端、ダイヤを連れその場から姿を消した


見送りながら唖然と見ていた低級悪魔に

イザマーレは含み笑いをして言った


「ダイヤを殺さない、怪我をさせないなら適度に弄ってもいいんだぞ?

魔力トレーニングにもなるからな。但し…やり過ぎるなよ?

やり過ぎたら陛下も黙ってはいないだろうからな。良いな?」





『承知致しましたー❗閣下の仰せのままに🤟』

低級悪魔達が声を揃えて言っていた。


巡回時間になると信者村の入口付近に集まって

ダイヤが来るのを楽しみになっている低級悪魔達…。


時には弄られ、またある時には普通に会話をするのが

ダイヤの日課にもなりつつあった…




Fin.




 
 
 

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