top of page

矜持と処罰


リリエルが瞬間移動で立ち去った時、

情報局でモニターチェックをしていた

ウエスターレンが声をかけた


「おい、イザマーレ。ちょっと来てくれ」

「?どうした、ウエスターレン」


イザマーレはウエスターレンの横に行った

「今日出回る予定の情報誌の記事なんだが…」


そこにあったのは

「大魔王陛下、復活!」

「復活後、后と蜜月!医務室の扉を消す」

「陛下が目覚めてくれて嬉しい!医務室ではにかむ后!」


「……」


「さんざん寝てた奴が、起きた途端に扉を消してやりまくっただと?

ダンケルのやつ、たぬき寝入りしてやがったんじゃないか?

ダイヤも、相変わらずとぼけてやがるな」


「…とぼけていようと、甘やかされて流され続けるのも

命あってこそだろ?死んでいたら、

それすら見ることはできないからな」


「!……イザマーレ、分かっていたのか……

まあ、それでも助けてやったんだな。お前らしいな」





「……だがそれで、一番大事なものを失っていたら

吾輩も情けないだけだな」


「!イザマーレ…俺はお前を愛しているぞ。

リリエルのことも心配いらない。

お前の気持ちは分かっているはずだ」


「ふっ……それはどうかな……」


寂しそうに笑うイザマーレに

心が抉られるウエスターレン。抱きしめようとするが


「ありがとな、ウエスターレン…

今、吾輩はお前に甘えるわけにはいかない

大丈夫だから…」



そこまで立ち尽くしているだけのバサラにようやく向き合う。


「バサラ、待たせたな。

ダイヤは吾輩にとってはリリエルと同じ、大切な存在だ。

命を救うのは当然のことだ。誰にとやかく言われるものではない。

お前もそのことで、気に病む必要はないぞ」


「閣下……」


「だが、陛下にケガを負わせたことは、無罪放免とはいかない。

償いの為、これから一週間、陛下の身の回りのお世話をしろ。

分かったな」


言い捨てるイザマーレ。



「…軽いな……(苦笑)

まあ、お前が言うなら、それでいいだろう

バサラ、しっかりやれよ」


呆れつつ、イザマーレに同調するウエスターレン




 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

コメント


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page