稲妻の処刑
- RICOH RICOH
- 2024年10月28日
- 読了時間: 3分
「そうか、バサラに送られてきた差し入れの中に
紛れ込ませていた…という事?」
元老院にやってきたイザマーレたちを迎え入れ、
事の詳細を把握したラァードルは、状況も含め、
冷静に受け入れようとしていた
「それなら、サムちゃんに任せるしかないね。よろしく頼むよ♪」
飄々とした表情を崩さずに、笑顔で応じるラァードル
「ああ、その事なんだが。実は、リリエルが
吾輩の髪に座って見ていたいと言うのでな
特段、問題はないんだが、あまり手荒な真似は出来んのだ。
そこでだ。執行役はお前に頼みたい。どうだ?」
隣に座るリリエルの髪を撫でながら、
ラァードルに笑いかけるイザマーレ
そんなイザマーレの言葉に、リリエルも笑顔で頷く
「え!! それって…いいの?」
思わずワクワクしながら、控え目に確認するラァードル
「当然だ。ラァードルなら、そう言うだろうと思ってな♪」
「安心しろ。俺様もついてる。まあ、またしても、
歴史書には載らない闇案件になるけどな(笑)」
……
数日後、情報局員によって拘束されたミャマ公爵。
落ちぶれた貴族の寂れた館に、
リリエルを髪に乗せて厳かに立つイザマーレ
その横に、ウエスターレンが並び立ち、紫煙を燻らせる
「紫煙か…そんなもので記憶を操り、
一時的な快楽で満たされるものなのか?」
「もし…私は記憶を失っても、閣下を一目見ただけで
惚れちゃうと思います…でも、もし閣下が
そのような事になったら…」
やや不安そうに俯くリリエルに、微笑みかけるイザマーレ
「なんだ、リリエル。もっと自信持てよ。イザマーレだって、
お前に一目惚れだったんだからな♪」
ウエスターレンも八重歯を見せて笑いながら、
リリエルの髪を撫でる
目の前に居るのに、一向に動こうとしないイザマーレに
恐怖に震えながらも痺れを切らしたミャマ公爵
「…このような場で、何の話をしているのだ。
失礼であろう。控えよ!!」
「ん?ああ、すまないな。
判決の言い渡しくらい、済ませてやろうな。
お前は極刑に処される。本日、この場でな。
名門が汚され、悔しいか?だが安心しろ。もはや
かつての栄華は見る影もないほどの落ちぶれよう…
恥ずかしげもなく、生き永らえていたお前に
プライドなどあるまい♪」
「なっ…失敬な!!! 無意味な策に溺れ、沈んだヴィオラと
同列に扱われては困る! あんなのと一緒に…」
口汚く唾を垂らし、最期まで上から目線で
無意味な主張を始めたミャマ公爵
突然、その身体に閃光が貫き、一瞬で白目を剥き、倒れ込む
上空に煌めく稲妻が、すべてミャマ公爵を狙い撃ちにして
雷鳴が轟く
もはや、正体の分からないほど、黒焦げになった塊の前に
すっと降り立つラァードル
「…本当はこんなもんじゃ気が済まないんだけど…
あまり派手にやるとサムちゃん困るでしょ?」
「(*^艸^)クスクスw もう、殿下ったら。
スプネリア様の事になると、本当に容赦ないんだから💕」
「(笑)気が済んだか?ラァードル。」
イザマーレもやや呆れながら、確認する
「うん。本当はもうちょっと暴れたいけど、
こいつの他に誰もいないじゃん💦
弱い者いじめは、さすがに気が引ける(笑)」
ラァードルの気持ちが晴れたのを確認し
すっと前に出るウエスターレン
「やれやれ。じゃ、証拠隠滅な♪」
邪眼を開放し、瞬時に全てを焦土化させた
「殿下、そして長官。お疲れさまでした。
閣下も、見守り役、素敵でしたよ(≧∇≦)
さ、帰りましょう♪♪」
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