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稲妻の処刑


「そうか、バサラに送られてきた差し入れの中に

紛れ込ませていた…という事?」


元老院にやってきたイザマーレたちを迎え入れ、

事の詳細を把握したラァードルは、状況も含め、

冷静に受け入れようとしていた


「それなら、サムちゃんに任せるしかないね。よろしく頼むよ♪」

飄々とした表情を崩さずに、笑顔で応じるラァードル


「ああ、その事なんだが。実は、リリエルが

吾輩の髪に座って見ていたいと言うのでな

特段、問題はないんだが、あまり手荒な真似は出来んのだ。

そこでだ。執行役はお前に頼みたい。どうだ?」


隣に座るリリエルの髪を撫でながら、

ラァードルに笑いかけるイザマーレ

そんなイザマーレの言葉に、リリエルも笑顔で頷く


「え!! それって…いいの?」

思わずワクワクしながら、控え目に確認するラァードル


「当然だ。ラァードルなら、そう言うだろうと思ってな♪」


「安心しろ。俺様もついてる。まあ、またしても、

歴史書には載らない闇案件になるけどな(笑)」


……

数日後、情報局員によって拘束されたミャマ公爵。

落ちぶれた貴族の寂れた館に、

リリエルを髪に乗せて厳かに立つイザマーレ

その横に、ウエスターレンが並び立ち、紫煙を燻らせる





「紫煙か…そんなもので記憶を操り、

一時的な快楽で満たされるものなのか?」


「もし…私は記憶を失っても、閣下を一目見ただけで

惚れちゃうと思います…でも、もし閣下が

そのような事になったら…」


やや不安そうに俯くリリエルに、微笑みかけるイザマーレ


「なんだ、リリエル。もっと自信持てよ。イザマーレだって、

お前に一目惚れだったんだからな♪」


ウエスターレンも八重歯を見せて笑いながら、

リリエルの髪を撫でる



目の前に居るのに、一向に動こうとしないイザマーレに

恐怖に震えながらも痺れを切らしたミャマ公爵


「…このような場で、何の話をしているのだ。

失礼であろう。控えよ!!」


「ん?ああ、すまないな。

判決の言い渡しくらい、済ませてやろうな。

お前は極刑に処される。本日、この場でな。

名門が汚され、悔しいか?だが安心しろ。もはや

かつての栄華は見る影もないほどの落ちぶれよう…

恥ずかしげもなく、生き永らえていたお前に

プライドなどあるまい♪」


「なっ…失敬な!!! 無意味な策に溺れ、沈んだヴィオラと

同列に扱われては困る! あんなのと一緒に…」


口汚く唾を垂らし、最期まで上から目線で

無意味な主張を始めたミャマ公爵

突然、その身体に閃光が貫き、一瞬で白目を剥き、倒れ込む

上空に煌めく稲妻が、すべてミャマ公爵を狙い撃ちにして

雷鳴が轟く


もはや、正体の分からないほど、黒焦げになった塊の前に

すっと降り立つラァードル




「…本当はこんなもんじゃ気が済まないんだけど…

あまり派手にやるとサムちゃん困るでしょ?」


「(*^艸^)クスクスw もう、殿下ったら。

スプネリア様の事になると、本当に容赦ないんだから💕」


「(笑)気が済んだか?ラァードル。」

イザマーレもやや呆れながら、確認する


「うん。本当はもうちょっと暴れたいけど、

こいつの他に誰もいないじゃん💦

弱い者いじめは、さすがに気が引ける(笑)」



ラァードルの気持ちが晴れたのを確認し

すっと前に出るウエスターレン


「やれやれ。じゃ、証拠隠滅な♪」

邪眼を開放し、瞬時に全てを焦土化させた


「殿下、そして長官。お疲れさまでした。

閣下も、見守り役、素敵でしたよ(≧∇≦) 

さ、帰りましょう♪♪」



 
 
 

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