約束 epilogue
- RICOH RICOH
- 2024年11月4日
- 読了時間: 4分
ある晴れた日、記憶が戻ったLily‘s達は、
構成員と一緒に人間界のイザマーレの屋敷を訪れていた
「へぇ、ここが噂のリリエル様の人間界でのお屋敷なんやねぇ。
バナトラさん達は来た事あるんやったっけ?」
「お屋敷の中には何度か来たけど、お庭は知らなかったわ」
「そうね…」
クリスタルの薔薇越しに、プルーニャの問い掛けに応えるバナトラ
セーラも感慨深げに辺りを見ている
「こんなに素敵なお庭をスケッチしたかったでしょうね
メーラちゃん…」
青空を眺めて、名残惜しそうに呟く
「大丈夫ですよ。ここからでも十分、堪能させてもらってますから♪」
風神界のバナトラの隣で体育座りになり描き始めるメーラ
「でもここに来ていた事も、必然だったんだと今になったら思うわね」
「あの時はただ楽しく過ごしていただけだったのに」
「本当…リリエルちゃんとの繋がりが、しっかりとあったのね」
お菓子を頬張りながら、メーラの描く絵を見てはしゃぎ出すバナトラ
「そうやね…
私は学校でしか会えへんかったから、ここには初めて来た。
それにしても、すごいお家と見事なお庭やね。探検したくなる」
のんびりと散歩し始めるハルミちゃんに倣い、庭の中を歩き始める
プルーニャとスプネリア
「へぇ、これが噂の、柿の木のブランコか!!
森のトンネルと木の階段…
ホントだ!本当に景色が変わるわ」
「和尚の、渾身の見事な作品やね」
目を輝かせ、網膜に焼き付ける
「あの頃は…俺、大変だったな」
そんなLily‘sを後目に、ボソッと呟くバサラ
バサラのぼやきが聞こえたプルーニャは
不思議そうに問いかける
「そういえば…代官と長官は学校にいはりましたけど、
その頃の参謀はどうしてはったんですか?」
「話せば長くなるよ…あの頃の俺は…」
遠い目をして項垂れる、麗しのバサラ
「あ、じゃぁ今度で良いです」
「俺はね…」
「話すんかい!」
いつの間にか、漫才のようになっていくバサラとプルーニャ
そこへ、プンスカしたダンケルがダイヤを連れてやってきた
「お前らばかり、良い役でずるいぞ」
「あ…へーか」
振り向き、ポヤンと呟くプルーニャに
ダンケルは軽く睨み付ける
「お前は相変わらずひらがなで私を呼ぶな。私は大魔王だぞ」
改めて、当時の事を思い返し、感極まるメーラ
「本当に、あの頃の閣下とリリエルちゃんったら…
思い出すだけで、泣けてくるね。
でも…なんか、すごく感動しちゃう。何でだろうね」
メーラの言葉に、その場の空気が変わる
「…悪魔の純粋な愛情ほど、尊いものはないんですね」
涙を拭き、頷きながら呟くリリア
その横で優しく微笑むムーラン
「お役に立てて、本当に良かった。
あんなミニスカートでくるくる回るなんて💦」
「男子が釘付けになってたもんなぁ。
あれは閣下やなくても、イラッときた。
皆を見る男子の顔のだらしない事といったら…」
思い返すだけで当時の苛立ちが蘇るプルーニャ
「それほど、リリエル様や皆様が魅力的だったって事ね」
「あのミニスカート姿で踊る皆さんは男子の憧れの的でしたよ」
スプネリアの言葉にkojiが頬を染めながら呟く
「あ!もしかしてkoji様の初恋の人もそこにおったとか?」
目を細めてニヤつくプルーニャに慌てるkoji
「え!…そ、そんな事ないですよ!やめてくださいよ!」
プルーニャに絡まれ、あたふたしているkojiの元に
屋敷を管理しているランソフに連れられ、ラドルもやってきた
ラドルを見つけたkojiは
「なんかごめんな。これまで塩対応しちゃって」
そう言って頭を下げた
その様子をみて困惑するラドル
「へっ?あの…」
バナトラはkojiの頭を撫でながら
「ちゃんと謝れて、偉かったね」と褒めている
「ちょ…俺はもう子供じゃないんで」
顔を赤く染めて照れるkoji
キョトンとしたままのラドル
「なんのことかよくわかりませんが…
私は何も思っておりませんので、どうぞご安心ください」
ラドルの言葉を聞き、満面の笑みになりながら
kojiはラドルの肩を抱き、告げる
「ありがとう!お前良い奴だな!」
不思議な友情がここに芽生えた
🌷Fin.🌷
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