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花は花なれ


元老院の庭に佇むイザマーレの元に駆け寄ったリリエルに振り返り

いつものように優しく微笑み、髪を撫でる


そのまま屋敷に帰った後も、いつもの部屋で

イザマーレに抱きついたまま、離れようとしないリリエル


「…どうした?まさか、お前まで植物の毒気に触れたわけじゃないだろ?」


そんな風に揶揄しながらベッドに腰かけ、膝の上に座らせるイザマーレ


「閣下…愛しています。私はいつでも、閣下のお傍に居ますから…///」


イザマーレの胸板に顔を埋めながら、さらにギュッと抱きつく

そんなリリエルに、これまでの憂いが昇華されていくのを感じながら

優しく口唇を重ねる。角度を変え、何度も啄みながら、

だんだんと深い口づけに変わっていく


一枚ずつ服を脱がせ、肌に赤い刻印をつけていくイザマーレを

時折そっと見つめるリリエル


「…どうした?」


「これ以上、御自分だけで苦しまないでください

私にも…一緒に背負わせてください…ふ、夫婦…なんですから…///」


言いながら、恥ずかしさに照れて俯くリリエルと

再び口唇を重ね合わせ、ベッドに押し倒す


「そこまで言うなら、素直に抱かれろ。

お前はこれからも笑顔で、いつも吾輩の傍に居ろ。良いな…」


「///はい…お心のままに…///」




ド直球なイザマーレの要求に、照れて真っ赤になりながら

幸せそうに微笑み、見つめ返すリリエル


そのままリリエルの全身を隈なく愛撫し、肌に舌を這わせる

堪らず身体を震わせ、啼き続ける声を愛でながら

深く愛し合う…


ここ暫くの間、ずっと抱き続けていたわだかまりが解けて

リリエルを抱いたまま、イザマーレも久しぶりに安眠できたようだ


いつまで経ってもリビングに姿を現さないイザマーレに

痺れを切らしたウエスターレンが、躊躇いもせず部屋に入り込む


枕元に腰かけ、綺麗な金髪を愛しそうに撫でるウエスターレン

そのぬくもりに、ふと目を覚ますイザマーレ

愛しい悪魔の存在に気づくが、そっと口元に人差し指を立て

目配せするウエスターレン


(姫君を起こすのは忍びないからな…お前も、久しぶりに良い顔をしている)


(///いつ以来だろう…作り笑いではない、こいつの本当の笑顔を見れたのは)


少し照れながら、嬉しそうな表情を浮かべるイザマーレ


(そうだな…ところで、どうだ。

もう一方の姫君は上手く融合出来たのか?)


(同じ空間に居合わせたのだから、

間違いなくリリエルと同化している。でなければ、

そこら中に時空の歪みが生じているだろうからな)


(危うく、ヨッツンハイムを生み出すところだったからな(笑))


(だが…)




冗談では済まない事をあっけらかんと話すウエスターレンに

微笑みながら、窓の外を眺めるイザマーレ


(まだ、こいつの残存意思は抜け出したまま

自由気ままに遊び歩きをしているようだな)


(なるほどな…。意地っ張りなのも、やはりお前の姫君らしいな♪)


そう言いながら、眼光鋭く見つめ返すウエスターレンに

ややムキになるイザマーレ


(///べ、別に良いではないか!リリエルにも我儘を言わせてやっても…///)


(はいはい…じゃ、俺様とお前のお楽しみな時間は、

深夜デートの見守り、になるわけだな。それじゃ、今の内に…)


(…っえ、ウエスターレン…///////)

急に顔を近づけ、慌てるイザマーレに構わず、キスをする


(///ば、馬鹿…リリエルが起きるだろ)


(フッ…リリエルが起きたら、巻き込んでやれば良いだけだろ?)


(…Σ( ̄ロ ̄lll)…ま、そうだな……)


ニヤッと笑うウエスターレン。

思わず抵抗を忘れるイザマーレにキスの雨が降り続ける

部屋の扉は、数日間消えたままになった…




Fin.

花の暗躍シリーズ 終







 
 
 

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