霊魂と器
- RICOH RICOH
- 2024年11月18日
- 読了時間: 5分
セルダが口唇を重ね、エナジーを送り込む
次第に目を覚まし、起き上がるプルーニャ
「えっ…あれ…私…?代官?それに皆さ魔も…
どないしたん?」
「…大丈夫そうだね。良かった」
戸惑うプルーニャをそっと抱きしめ、髪を撫でるセルダ
真っ赤になりながら、改めて周囲を見ると
知らない部屋のベッドに寝かされていた
だが…何となく記憶にある香りと気配に、元老院と気がつく
「そうや…スプネリアちゃんに会いに来たはずだったのに…」
まるで覚えていない様子のプルーニャに
ベルデが診察しながらのんびりと伝える
「テラスに佇み、知らない歌を口ずさんだことすら覚えてないか…」
「…歌?…あ、そう言えば…あれ、ハルミちゃん、どこ行った?」
ベルデの言葉をきっかけに、何かが見えそうで見えないプルーニャ
だが事件の直前に、ハルミちゃんが駆け出して行った事だけが脳裏をよぎり
慌てて起き出し、探しに行く
ハルミちゃんの居場所はすぐに分かった
元老院に美しく整えられた庭
ある大樹の前に佇むイザマーレ
そのすぐ背後で、前足を整え大人しく座るハルミちゃんの姿…
「ハルミちゃん…こんな所におったんか…」
探し出して、声をかけようとしたプルーニャの肩をポンと叩かれ
驚いて振り向くと、口の前で人差し指を立てるオジー
「静かに。黙って聞いてなさいね」
すると、大人しくお座りしていたハルミちゃんが、あるメロディを紡ぎ出す
「ん、あら?ハルミちゃん…その曲って…」
すぐ傍に居たリリエルが気づいて、ハルミちゃんを抱き上げる
「よく知ってたね。閣下が昔、お芝居にご出演なさった時の歌よね」
そう言いながら、そっと歌い始めるリリエル
……出会いの時の…瞳…微笑みも…
まだ…鮮やかによみがえる
鬱蒼とした庭の木々も…
(…えっまさかそれ、…私が歌ったんやろか…///////)
聞いていたプルーニャは、思わず真っ赤になる
刹那
リリエルの歌声に触発された庭の草花が、一斉に口ずさみ始める
「…!!…これって…」
庭に降り立ち、佇む光の悪魔に
何かを必死に伝えようとする草花たちの歌声
リリエルは驚いて、改めてイザマーレを見つめる
イザマーレは、リリエルが口ずさんだメロディと
草花たちの発する声を聴きながら、静かに瞳を閉じていた
(…“君を忘れない”か…)
そして、続きを歌い出す
月の砂漠を
星と星の日に連れられ
小さなギター弾きは
はるばる旅を続ける…
(だがな、その孤独は、吾輩だけが背負い続ければ良いのだ)
そして、新たな詠唱を紡ぎ出す
………
ベルデは、
イザマーレの言霊に触発され、わずかに振動する波動に気づいた
イザマーレのすぐ後ろでは、ウエスターレンが寄り添い、目配せしていた
(…そろそろ、姫君と融合させてやろうな)
イザマーレの歌唱に酔いしれながら
背負い続けた心の痛みを感じ取り
居ても立ってもいられず、イザマーレの元へ駆け寄るリリエル…
イザマーレとリリエルが共に姿を消した
それまで、ずっと立ち尽くして見とれていたプルーニャの目から
涙が溢れて止められずにいた
その時、後ろからポンと頭を撫でられ、振り向くとセルダが居た
「…だいかん…ず、ずびばせん…なんだかとても…感動しちゃいまして…」
慌てて涙を拭いて取り繕うが、上手く言葉が続かない
「(笑)…こんな時、閣下やウエスターレンだったら、
“ハンカチを貸そうか?それとも胸を貸そうか?”とか言って
カッコよくやるんだろうね。俺はそこんとこ、不器用だから…///」
頭を掻きながら、照れくさそうに笑うセルダに
プルーニャは涙と鼻血が同時に吹き出しそうになり
さらに意識が遠のきそうになる
そんなプルーニャを優しく抱きしめるセルダ
「だからさ…プルーニャから言ってくれないと、いかんね」
「///////…あ、あの…で、できましたら
ハンカチとティッシュはボックスで。それとあの…///////」
もう一つ、喉まで出かかった言葉に
自爆しそうになるプルーニャ
「…大丈夫?まだ、病み上がりだしね。
さっきは、助けてやれなくてごめんな。おいで、プルーニャ…」
スッと手を引き、寝室へエスコートするセルダ
「これからは、もっと遠慮なく俺に頼ってくれて良いんよ。分かった?」
ベッドへ優しく押し倒し、真っ赤になるプルーニャを優しく見つめる
言葉にならず、必死に頷き返すプルーニャ
「…プルーニャ?緊張しすぎじゃんね。ゆっくり深呼吸しよ。
ほら、ゆ~っくり、吸って~…吐いて~…」
セルダの言葉に合わせ、必死に息を吸い込み、吐き出すプルーニャ
「もう一度、吸って…」
落ち着かせようと目を瞑り、息を吸い込むプルーニャの口唇に
セルダの口唇が重なる
「…んっ…」
緊張で強張るプルーニャと指を絡めながら
何度も優しくキスを繰り返す
徐々に力が抜け始めた頃、舌を絡めエナジーを注入していく
そっと口唇を離し、とろけた表情のプルーニャと見つめ合う
言葉を交わす事もなく、再び深く口づけし合い首筋に舌を這わせる
気がつけば、一糸纏わぬ姿で何度も乱され、嬌声を上げ続けるプルーニャ
「ふう~ん…さすが、ミュージカルごっこが好きなだけあって
良い声で啼くね。もっと啼かせてあげる。プルーニャ、気持ち良い?」
「…そ…そんな…わか…ない…///////」
息も絶え絶えになりながら、セルダの激しく熱い攻めに
翻弄されるプルーニャ
寝室の扉の前で、のんびりと毛づくろいをするハルミちゃん…
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