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……リリエル


吾輩に愛を教えてくれたのはお前だったな

心の荷物を静かに降ろせる場所


お前と出会ったあの瞬間から

いつか刃を向けなければならないと思い悩んだ日々

無意味な遠回りを繰り返したのも、

己の宿命に抗い、どうにか回避させたかったからだ…


リリエル…あの優しかった花は今も

変わらず吾輩を待ってくれているだろうか

最後まで笑顔で、何度も吾輩に愛を示してくれた


この吾輩の涙を拭ってくれる

お前の指先を待っている

だから、早く目覚めて吾輩を見ろ


過去の痛みが教えてくれたのは 

そこにある悲しみだけじゃない

かけがえのない思い出をいつまでも

胸に咲かせながら……


リリエル……

吾輩のこの涙をお前に……

再びお前の笑顔が咲き誇ってくれるように


目覚めたら、もう決して離しはしない

その日まで、お前を待っているから…


今すぐにでも起き出しそうな、

穏やかな表情で眠り続けるリリエルに

イザマーレは毎日、寄り添い、その名を呼び続けた……



 
 
 

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