交錯
- RICOH RICOH
- 2024年11月17日
- 読了時間: 4分
やがてイベントは閉会となり
イザマーレの屋敷で盛大な打ち上げが催された
大活躍だったシューゾウとラドル、
最高魔軍の構成員とダンケルを交え
乾杯を交わし、お互いを称え合う
「ウエスターレン、ちょっと良いかな。シューゾウの事で」
将来に向けて、真面目に考え始めた息子、シューゾウを連れて
セルダがウエスターレンに話しかける
「ん?おお~。お前、今日は大活躍だったな。お疲れ!!」
セルダの影に佇むシューゾウを見て、
ウエスターレンは八重歯を覗かせながら、にこやかに笑いかける
「なかなか、見上げた心意気じゃないか。
腰抜けの貴族魔どもより、余程信頼のおける魔材といえるな」
「!…///////」
憧れの悪魔、ウエスターレンの言葉に目を輝かせ
顔を赤くしながら、真剣なまなざしを見せるシューゾウ
「性根を腐らせず、よくここまで成長したな。
リリエルも、お前やラドルの雄姿を見て、喜んでいたんだぞ」
「!!」
ウエスターレンの言葉に驚いたシューゾウ
思わず、感極まり男泣き。手近にあったおしぼりに顔を埋めて号泣する
「あら、シューゾウくん、大丈夫?」
「!!///////」
そこへ、料理を運んできたリリエルに声をかけられ、固まる
「今日は大活躍だったね。お疲れ様♪」
にこやかに微笑むリリエル。
リリエルの顔をまともに見る事は出来ず、
目を逸らしながら、リリエルの手元から
替えのおしぼりを受け取り、再び顔を埋めるシューゾウ
「ま、有能な魔材が増える事は、我々にとっても財産だからな」
そんな修造の頭を撫でてやり、
ウエスターレンはイザマーレの元へ向かう
イザマーレはソファに座り、ダンケルと談笑していた
ウエスターレンに連れてこられたシューゾウを、
ダンケルも興味深く見つめる
「なんだ、お前。リリエルなんかを狙ってたらしいな。
あんな怖い女のどこが良いのだ?」
「なっ……」
思いもよらぬダンケルの言葉に固まるシューゾウ
「ダンケル、お前、ほんと分かってねーな。事によっては
お前にとって最大のチャンスだったかもしれないんだぞ」
ニヤニヤ笑うウエスターレンに、不機嫌さを隠そうともしないダンケル
「…ふん💢そう上手く行くわけあるまい
おい、お前。もう少し周りにも視野を広げるべきだぞ。
ダイヤの方が数倍可愛いではないか」
1魔、息巻くダンケルに返答はせず
グラスに口をつけて、遣り過ごすイザマーレ
ウエスターレンもやれやれと呆れ顔だ
そんなやり取りを見て、大魔王の不安定さを感じ取るシューゾウ
今の大魔王陛下を支えているのは、副大魔王イザマーレなのだ
魔界全般における雑事を全て取り計らい、
悪魔軍を率いて夢幻月詠としての責務も担う。
その上、ダンケルの横暴とも言える尻拭いに奔走させられ
魔界一多忙で有名なイザマーレ。
その為、リリエルとの時間を作るのも至難の業なのだと
養母プルーニャがLily‘sたちと話していたのを聞いたことがある
そして、そんなイザマーレを全力でサポートし続けているのが
ウエスターレンとリリエルなのだ
であれば…大魔王陛下の元で粉骨砕身に働くことで
イザマーレに少しでも時間のゆとりが生まれ
少しでもリリエルがイザマーレの傍にいられるようになるのだろうか…
漠然と、魔宮殿への就職を考え始めたシューゾウである
イザマーレたちの様子に気を配りながら
リリエルはキッチンで食器を洗っていた
その時、奥の扉が開き、ベルデと裕子がソラと手を繋いで入ってきた
「あら?いらっしゃい♪」
「リリエルちゃん、ごめんね。
ソラちゃんの館で昼間のイベントをビデオ上映してたんだけどね」
「ソラ様も、皆さ魔のところに行くって言い出して…/////」
手を繋いだままニコニコしているソラの髪を撫でる裕子
「そうだったのね(*´艸`*) ソラちゃん、いらっしゃい。
皆さんのところに行きましょうね」
「わーい(*^▽^*)」
嬉しそうなソラと一緒にリビングに向かうリリエル
「サムちゃま~(≧∇≦)♪♪」
リビングに響く可愛らしい声に、一同振り向く
「どうした、ソラ。ビデオ上映は楽しかったか?」
抱きついてきたソラを膝に乗せ、髪を撫でるイザマーレ
「はい!!サムちゃま、カッコ良かった~(≧∇≦)
シューゾウ兄ちゃまも頑張ってた~♪♪」
素直に喜ぶソラに、自然と笑顔になる
「そうかそうか。ソラちゃん、おいで。抱っこしてやるぞ♪」
途端に目尻を下げ、メロメロになるダンケル
ふんわりと抱っこされながら、ニコニコと嬉しそうなソラ
「ダンケルしゃま…ソラも、シューゾウ兄ちゃんみたいに
学校に通ってみた~い(*^▽^*)」
「そっか…ソラちゃんも3歳だもんね。
イザマーレもウエスターレンも、考えてみたら?」
「そうだなあ…」
ダンケルとソラのやり取りを聞きながら、提案するベルデに
イザマーレとウエスターレンも思案顔だ
「ソラちゃん。向こうで遊びましょう。おいで。お菓子もあるよ」
「あ、は~い♪」
ソラの手を引き、促すシューゾウに、素直について行く彼女
「…何せ、もう少し仲魔が増えた方が良いだろうな。
期待しておるぞ、お前たち♪」
ワイン片手に優雅に微笑むダンケル
(…お前もな!!)
心の中で総ツッコミを入れる構成員たち………
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