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倒錯


………


「そんなわけでして……」


やや気落ちした様子で、俯きがちに話すプルーニャ


「なるほどね~…やはりここが、閣下にとっての大勝負となったのね」


ほんの少し前に、思い浮かんだ通りのシナリオになっていることに

改めて頷く里好


「書いていて思ったんです。ソラ様とシューゾウの関係って

なんだか、幼い頃のリリエル様と閣下のようだなって…(^-^;」


「う~ん…そうなのかなあ…」

口元に手をやり、考え出す里好


「可愛らしいソラ様を背負って走り込みを続けるシューゾウは、

学ラン兄ちゃんを演じてらっしゃった閣下のようですし」


一人、頷きながら語り続けるプルーニャ


「障壁の多い恋愛に悩むシューゾウを、面白そうに見ているソラ様は

リリ様だったリリエル様のようじゃないですか」


「そうだねえ…言われてみるとそうなのかも…」

里好も、納得したように頷く


「恋の痛みは、誰でも大きく成長させるものです。

この先、シューゾウくんがどんな活躍を見せてくれるか、楽しみですね」


「そうなんです!!しばらくは落ち込むでしょうが、

影ながらリリエル様をお守りする事…ひいては魔界をお守りする事

それが自分に与えられた任務と、真面目に考え始めるでしょう!!」


力強く息巻くプルーニャ


 
 
 

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