偽装
- RICOH RICOH
- 2024年10月14日
- 読了時間: 2分
その日、いつものようにプエブロドラドで
警備を行っていたダイヤ
村の中を巡回し終わり、事務所に戻ってきた
建物の前に、佇む姿を見つけ、笑顔で声をかける
「あれ?リリエル様~♪どうなさったの?」
振り返ったリリエルは、いつものように微笑み返す
「ダイヤ様♪お仕事お疲れ様でーす。
美味しいケーキ焼いたので、お持ちしたんです。
一緒に食べましょ?」
「ええっ カンゲキ(`✧∀✧´)
わざわざすみません、ありがとうございます
どうぞ中に……あれ?でも珍しいですね。
リリエル様がこんな時間に来てくれるなんて……
閣下の公務の付き添いですか?」
「うん、ケーキ焼いてたら、閣下も誉めてくれて
ダイヤ様の所に持って行っていいぞって…ふふっ」
「…えっ……まさかリリエル様、ここまで1魔で
いらっしゃったの?閣下、よく許したな…
めずらしいなあ……あ、そうか、今は長官と……なのかな?……
それにしても……」
「ダイヤ様?どうかした?」
不思議そうに首を傾げるリリエルにダイヤは慌てて取り繕う
「あ、う、ううん。何でもないの、独り言ですから……
ありがとうございます。どうぞ座ってくださいな」
「ありがとう。ケーキだからお茶が欲しいわね
ダイヤ様、淹れてくださる?」
「…!あ…そ、そうっすよね、お待ちください、只今すぐに!」
慌てて給湯室へ向かいながら、微かに違和感を覚えるダイヤ
リリエルにお茶を淹れる……
そんな事、未だかつてあっただろうか??
本当はいつだって、自分がやらなきゃいけない立場なのに、
いつでもリリエルが淹れてくれるお茶を嬉しく戴いていた……
もしかして……ご機嫌そうに見えるけど、
何か怒ってらっしゃるんじゃ…(汗)
チラッと振り返り、リリエルの様子を眺めるダイヤ
(…気のせいかな?立場を考えたら、
自分がお茶を淹れるのが当然なんだしっ!)
自分が大魔王后である事など、
リリエルの前では忘れてしまうダイヤは、
気を取り直し、リリエルとのひと時を過ごしていた
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