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偽装


その日、いつものようにプエブロドラドで

警備を行っていたダイヤ


村の中を巡回し終わり、事務所に戻ってきた

建物の前に、佇む姿を見つけ、笑顔で声をかける


「あれ?リリエル様~♪どうなさったの?」


振り返ったリリエルは、いつものように微笑み返す


「ダイヤ様♪お仕事お疲れ様でーす。

美味しいケーキ焼いたので、お持ちしたんです。

一緒に食べましょ?」





「ええっ カンゲキ(`✧∀✧´)

わざわざすみません、ありがとうございます

どうぞ中に……あれ?でも珍しいですね。

リリエル様がこんな時間に来てくれるなんて……

閣下の公務の付き添いですか?」


「うん、ケーキ焼いてたら、閣下も誉めてくれて

ダイヤ様の所に持って行っていいぞって…ふふっ」


「…えっ……まさかリリエル様、ここまで1魔で

いらっしゃったの?閣下、よく許したな…

めずらしいなあ……あ、そうか、今は長官と……なのかな?……

それにしても……」


「ダイヤ様?どうかした?」


不思議そうに首を傾げるリリエルにダイヤは慌てて取り繕う


「あ、う、ううん。何でもないの、独り言ですから……

ありがとうございます。どうぞ座ってくださいな」


「ありがとう。ケーキだからお茶が欲しいわね

ダイヤ様、淹れてくださる?」


「…!あ…そ、そうっすよね、お待ちください、只今すぐに!」


慌てて給湯室へ向かいながら、微かに違和感を覚えるダイヤ


リリエルにお茶を淹れる……

そんな事、未だかつてあっただろうか??


本当はいつだって、自分がやらなきゃいけない立場なのに、

いつでもリリエルが淹れてくれるお茶を嬉しく戴いていた……





もしかして……ご機嫌そうに見えるけど、

何か怒ってらっしゃるんじゃ…(汗)


チラッと振り返り、リリエルの様子を眺めるダイヤ


(…気のせいかな?立場を考えたら、

自分がお茶を淹れるのが当然なんだしっ!)



自分が大魔王后である事など、

リリエルの前では忘れてしまうダイヤは、

気を取り直し、リリエルとのひと時を過ごしていた



 
 
 

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