困惑

その頃屋敷では…

執務室で公設秘書の仕事に就いていたリリエルは

突如聞こえる自然界からの呼びかけに、ハッとする

「…リリエル？どうかしたのか？」

違和感を覚えたイザマーレが尋ねるが

切羽詰まった表情で今にも駆け出して行きそうだ

「…行かなきゃ…」

取り乱し、泣き始めるリリエルを抱き寄せ

髪を撫でるイザマーレ

「…元老院か。分かった。吾輩も行くから心配するな。ウエスターレン…」

「任せろ。すぐ行こう」

リリエルを落ち着かせながら、

ウエスターレンと連れ立って出向こうとした矢先

ハルミちゃんが駆けつけてくる

「ハルミちゃん。ご苦労だったな。すぐに行くから、心配するな」

イザマーレはリリエルを抱き寄せ、

ウエスターレンはハーちゃんを抱き抱え、瞬間移動する

元老院に着いた途端、

脳裏に響く無数の声に困惑し、リリエルは頭を抱える

先程から、庭に生えている草花たちが

必死に何かを伝えようとしているのだが

あまりにも一度に訴えてくるため

正確にシグナルを読み取れないのだ

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(えっ……ちょっと待って…え、何？)

「リリエル、大丈夫か？無理しないで椅子に座ってろ」

イザマーレが手近にあった椅子に座らせる

その頃ラァードルは目玉蝙蝠を飛ばし

バサラに頼んでバナトラを連れて来て貰った

｢あれ～？皆どうしたの？スプネリアちゃんとプルーニャちゃん、寝てるの？

え？起きないの？なら、お前たちがキスしてあげたら起きるんじゃない？｣

｢バサラ！！バカな事言っているんじゃないの！！｣

バナトラがバサラを諌めるが、横から

｢吾輩も、眠り姫を目覚めさせるなら、バサラの案が良いと思うぞ｣

｢俺もそう思う。王子のキスの効果は抜群だからな｣

イザマーレとウエスターレンがニヤニヤしながら言う

｢皆何言ってるの～！？見た目はスプネリアだけど、なんか違うんだよ！

うまく説明出来ないけど、本当のスプネリアじゃないんだよ！！｣

ラァードルが感じている違和感を必死に伝える

｢確かに…目の前のスプネリアは、身体は本物だが

何らかの魔力に取り込まれ、クローンと混在してる状態だ。

……本物のスプネリアは深い眠りの中に落とされている。

どうやら、不安癖が高じて、旅の真っ最中のようだな」

｢…そうだな。このままキスするのは待った方が良いかもな」

ラァードルの言葉を受けて、

すぐさまスプネリアに起きた背景を読み解き

冷静に伝えるイザマーレとウエスターレン

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イザマーレ達の話を聞いていたオジーが

ある植物の存在を思い出す

｢ラァードル様。儂が昔、

庭師になる為の修行していた頃に聞いた話なんですが

血を吸い、体液を飲む植物がいるらしく、ソイツに取り込まれたら

その身体に毒を注入されて、その植物に操られると……

儂はその植物に未だに遭遇した事は無いですが、ご様子から見ると

スプネリア様はもしかしたら、その植物に魅入られたのでは……?!｣

オジーの話に、ベルデも思い出したように頷く

｢僕もその植物の事は聞いた事があるよ

でも、神出鬼没で、実際に見た事ある者はごく僅かみたい

確かまだ名もない植物だと……｣

｢！！その植物に操られたらどうなるの?! その後は?!

どうすれば助け出せる?!｣

ベルデとオジーに矢継ぎ早に問い詰めるラァードル

その時ラァードルは手首を強い力で握られた

振り返ると、高揚し舌なめずりしながら

上目遣いで見つめているスプネリア

いつもと違う様子に身震いし、手を離そうとするが

異常なまでに力が強く、振り払えない

そしてスプネリアの目が紫色に妖しく光り出したと思った瞬間

ベッドに引っ張りこまれ、いつの間にか大の字に組み敷かれるラァードル

｢フフッ……ツ、ツヨイ……オ、オスノ……ニ、ニオイ……｣

ラァードルの耳、首筋を舐め上げ、その手は胸元をまさぐり

先端の実を弾いたり摘んだりし始めた

焦るラァードルに口づけをしてエナジーを吸うスプネリア

やがてスプネリアの手が段々と、下の方に降りていく

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｢ほぉ～やけに楽しそうだな（笑）そんな便利な植物があるとはな♪｣

ニヤリと笑い何かを企むイザマーレとウエスターレン

｢す、スプネリア！や、止めろ！いつものスプネリアじゃないし

こ、こんなの普通じゃないよ！

さ、サムちゃん！ウエスターレン！見てないで助けてよ～｣

｢スプネリアちゃん、めちゃ大胆～❤｣

口を手で押さえガン見するバサラ

｢スプネリアちゃん♪殿下押さえるの手伝いまーす！！｣

ノリノリで加勢しようとするバナトラ

｢ば、バナトラちゃん、加勢止めて〜た、助けてぇ〜〜｣

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