地獄
- RICOH RICOH
- 2024年11月19日
- 読了時間: 2分
魔宮殿から移動したイザマーレたちは、地獄に降り立ち
状態を確認して回る
剥き出しの岩がゴロゴロしている平地は、唯一歩き回ることもできる
中央にあるのが地獄の釜
そこから無数の階層が設けられている
下に降りる程、送り付けられた罪深い人間たちが
苦しみ藻搔き、喘いでいる
彼らにとって、ここに訪れる悪魔など、単なる恐怖の存在でしかない
であるがこその無関心
それは、広大無辺の魔界の中でも珍しく
必要以上に柵を感じない自由さを、肌で実感する
「…やはり、ここ地獄は、人間どもにとっては好ましくない場所だろうが
我々悪魔からすると、心地良い空間なんだよな(笑)」
「そうですね…確かに、あまり他では感じないオーラに溢れてるんですね」
「リリエル。やはりお前は生粋の悪魔というか…魔界こそが
お前の居場所なんだ。もう二度と、吾輩から離れるんじゃないぞ?」
「…はい…///////」
まっすぐ見つめるイザマーレに
うっすらと涙を浮かべ俯くリリエル
そんなリリエルを優しく抱きしめるイザマーレ
しばらくして、ふと顔をあげるリリエル
「そういえば…どの辺りだったんでしょう?」
キョロキョロと周囲を見回すリリエル
「ん?」
「人間に生まれ変わったばかりの、幼いダイヤ様に再会した場所は…?」
穏やかに首を傾げるリリエルに、イザマーレは優しく髪を撫でる
「ああ…そうだったな。こっちだ」
リリエルと手を繋ぎ、進んでいくイザマーレとウエスターレン
「…確か、この辺だな。」
連れて来られた場所は、地獄の淵で門番をしている鬼たちが
多く居る休憩所だった
「…(´∀`*)ウフフ…あの鬼さん達と、仲良く遊んでらっしゃったのね♪」
にっこりと微笑むリリエル
「そうだな。言われてみると、あの頃はあいつ、怖いもの知らずにも
程があったよな。今のダイヤでは考えられんな(笑)」
「…それだけ愛されて、甘えられる相手が近くにいらっしゃるから…ですね」
「まあ、そう思えば、可愛げもあるか?」
八重歯を覗かせ笑うウエスターレン
「さて。地獄の状態も問題なさそうだな。ダイヤの話はこの程度にして…
今日はどこか、適当な所で宿を取るか。リリエル、おいで」
イザマーレは再びリリエルを髪に乗せ、ウエスターレンと共に立ち去る…
コメント