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地獄


魔宮殿から移動したイザマーレたちは、地獄に降り立ち

状態を確認して回る


剥き出しの岩がゴロゴロしている平地は、唯一歩き回ることもできる


中央にあるのが地獄の釜


そこから無数の階層が設けられている

下に降りる程、送り付けられた罪深い人間たちが

苦しみ藻搔き、喘いでいる


彼らにとって、ここに訪れる悪魔など、単なる恐怖の存在でしかない


であるがこその無関心


それは、広大無辺の魔界の中でも珍しく

必要以上に柵を感じない自由さを、肌で実感する


「…やはり、ここ地獄は、人間どもにとっては好ましくない場所だろうが

我々悪魔からすると、心地良い空間なんだよな(笑)」


「そうですね…確かに、あまり他では感じないオーラに溢れてるんですね」


「リリエル。やはりお前は生粋の悪魔というか…魔界こそが

お前の居場所なんだ。もう二度と、吾輩から離れるんじゃないぞ?」


「…はい…///////」


まっすぐ見つめるイザマーレに

うっすらと涙を浮かべ俯くリリエル

そんなリリエルを優しく抱きしめるイザマーレ




しばらくして、ふと顔をあげるリリエル


「そういえば…どの辺りだったんでしょう?」

キョロキョロと周囲を見回すリリエル


「ん?」


「人間に生まれ変わったばかりの、幼いダイヤ様に再会した場所は…?」


穏やかに首を傾げるリリエルに、イザマーレは優しく髪を撫でる


「ああ…そうだったな。こっちだ」


リリエルと手を繋ぎ、進んでいくイザマーレとウエスターレン


「…確か、この辺だな。」


連れて来られた場所は、地獄の淵で門番をしている鬼たちが

多く居る休憩所だった


「…(´∀`*)ウフフ…あの鬼さん達と、仲良く遊んでらっしゃったのね♪」

にっこりと微笑むリリエル


「そうだな。言われてみると、あの頃はあいつ、怖いもの知らずにも

程があったよな。今のダイヤでは考えられんな(笑)」


「…それだけ愛されて、甘えられる相手が近くにいらっしゃるから…ですね」


「まあ、そう思えば、可愛げもあるか?」

八重歯を覗かせ笑うウエスターレン


「さて。地獄の状態も問題なさそうだな。ダイヤの話はこの程度にして…

今日はどこか、適当な所で宿を取るか。リリエル、おいで」


イザマーレは再びリリエルを髪に乗せ、ウエスターレンと共に立ち去る…



 
 
 

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