屋敷
- RICOH RICOH
- 2024年11月19日
- 読了時間: 4分
その頃、ソラの館に集結していたLily‘sたちは
ベルデの飛ばした目玉蝙蝠の返事を待っていた
「…あ、返事が来たよ。リビングの片づけと食器洗いだけ、頼みたいって。」
のんびりと話すベルデに、Lily‘sたちは色めき、ハイタッチを交わす
「あ、それとね。イザマーレから、これが届いた。」
「?」
ベルデの手元を不思議そうに眺めるLily‘s
「リリエルちゃんの手伝いを買って出てくれたお礼だって。
良かったじゃない。一日だけの特別体験だね。楽しんできなよ♪」
そう言って手渡されたのは、カードキーだった
「!!ひょっとして、これって…///////」
想像しただけで興奮気味なリリアとムーラン
受け取ったカードキーをポケットに仕舞う花蓮光
「行ってらっしゃい♪後でまた、遊んでね~(≧∇≦)」
「それじゃ、皆で行きましょうか♪鈴音さんも行こ♪」
ソラに可愛らしく送り出しされ、プルーニャはハルミちゃんを連れて
鈴音も誘い、一緒に屋敷へ向かう
屋敷の中は、普段と全く異なり、真っ暗闇だった
「…えっと…電気って、どこですかね💦」
「閣下やリリエル様がいらっしゃらないだけで、
雰囲気がぜんっぜん違いますね(^-^;」
その時、キッチンの灯りがつき、コーヒーを焙煎する香りがしてきた
「わあっ…ビックリした…いきなり動き始めた💦」
「…え?!ひょっとして、リリエル様、魔力で動かしてらっしゃる…?」
しばらくして、ようやく暗闇に目が慣れて、
リビングのダイニングテーブルに置かれたままのお皿に気がついた
「あ!これですね♪3魔さんたちのお皿を洗うだけなら、簡単ですよね」
「///で、でも待って!これは、単なるお皿じゃないですよ。
か…閣下と…長官が…使用された…お皿と…マグカップ…///////」
「///////こっ…興奮しすぎて、傷がついたらいけないわ💦
だけど…てっ…手が震えます………///////」
妄想が止まらず、貧血を起こしそうなムーランとリリア
そんな2人の様子を眺めている内、
緊張が伝染して気絶しそうな花蓮光
「ハルミちゃん、ちょっと待っててな。ここは、皆さんに代わって
私がお皿をキッチンに運ばせてもらいます♪…へえ♪
これは、リリエル様のお皿ですね♪」
「リリエル様…お料理も上手なんですよね?
冷蔵庫の中も、覗いてみたいですねえ…(笑)」
「そうやね…あ、でもアカン。冷蔵庫、鍵がかかっているのか
開かないわ。そりゃ、そうよね(^-^;」
「さ、閣下と長官の使用済みの食器を洗うのは、
リリア様とムーラン様のお2人に任せましょ♪」
真っ赤な顔でキャーキャー言いながら、
食器を必要以上に大切に洗うリリアとムーラン
プルーニャと鈴音は、リビングの整理整頓をする
「…いつも思うけど…本当に綺麗やね💦
掃除なんか必要ないくらいじゃない?」
「朝食の時間に、慌ただしくお出かけになった筈なのに
この片付きっぷり…リリエル様…凄いです…💦」
改めてリビング全体を見回し、呆然と固まる花蓮光
ついに緊張の糸が切れて、パタリと意識を失う
「ああ💦ほら、花蓮光さん、大丈夫?はい、深呼吸しましょ
ひーひーふ~…」
慌てて介抱し始めたプルーニャは、
花蓮光が服のポケットにしまっていたカードキーに気がつく
「あ、これ…なんのキーなんやろか?」
そっと取り出し、翳してみる
すると…
2階から3階に繋がる螺旋階段が現れた
その先に見た事のない扉が厳かな光を放っている
「!!!!!」
あまりの事に目を丸くして固まるプルーニャ
キッチンで食器洗いを済ませたリリアとムーランも駆けつけ、目を瞠る
意識を取り戻した花蓮光は驚愕し、震えている
「…ハッ…もしかして…閣下が仰られていた
“魔法のお部屋”じゃないですか?!」
「”魔法のお部屋”なのに、閣下がいつでも使えるようにと取っておかれた…?」
「…ひょっとして…リリエル様との…?」
「!!きっとそうや!!…え、私ら、中を見ても良いんでしょうかね💦」
「和尚から言われた感じだと…閣下が用意してくださったみたいだし
良いんじゃない?」
「そうかも!!それじゃ、行ってみますか♪」
震える足を誤魔化しながら、3階へ続く螺旋階段を昇って行く
扉の前で、再びカードキーを翳す
ゆっくりと扉が開かれ、柔らかい光に包まれる
中に入るのも躊躇し、廊下で挙動不審にキョロキョロし合う
すると、その部屋のちょうど向かいに、壁と一体化された扉を見つける
「………!!!!もしかして…これ…」
壁に埋もれるように存在した扉には、イザマーレの紋章が浮かび上がり
強力な結界で覆われているようだった
「…あかずの扉…ですね…この扉から、リリエル様は…」
「………」
「?皆さん?どうしたんですか?…こちらのお部屋を見学しましょうよ」
事情を深く知らない鈴音が、黙り込んだLily‘sに声をかける
「うん…そうね♪」
気を取り直し、向かいの部屋へ入って行く
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