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屋敷


その頃、ソラの館に集結していたLily‘sたちは

ベルデの飛ばした目玉蝙蝠の返事を待っていた


「…あ、返事が来たよ。リビングの片づけと食器洗いだけ、頼みたいって。」


のんびりと話すベルデに、Lily‘sたちは色めき、ハイタッチを交わす


「あ、それとね。イザマーレから、これが届いた。」


「?」





ベルデの手元を不思議そうに眺めるLily‘s


「リリエルちゃんの手伝いを買って出てくれたお礼だって。

良かったじゃない。一日だけの特別体験だね。楽しんできなよ♪」


そう言って手渡されたのは、カードキーだった


「!!ひょっとして、これって…///////」

想像しただけで興奮気味なリリアとムーラン


受け取ったカードキーをポケットに仕舞う花蓮光


「行ってらっしゃい♪後でまた、遊んでね~(≧∇≦)」


「それじゃ、皆で行きましょうか♪鈴音さんも行こ♪」


ソラに可愛らしく送り出しされ、プルーニャはハルミちゃんを連れて

鈴音も誘い、一緒に屋敷へ向かう


屋敷の中は、普段と全く異なり、真っ暗闇だった


「…えっと…電気って、どこですかね💦」


「閣下やリリエル様がいらっしゃらないだけで、

雰囲気がぜんっぜん違いますね(^-^;」


その時、キッチンの灯りがつき、コーヒーを焙煎する香りがしてきた


「わあっ…ビックリした…いきなり動き始めた💦」

「…え?!ひょっとして、リリエル様、魔力で動かしてらっしゃる…?」


しばらくして、ようやく暗闇に目が慣れて、

リビングのダイニングテーブルに置かれたままのお皿に気がついた


「あ!これですね♪3魔さんたちのお皿を洗うだけなら、簡単ですよね」




「///で、でも待って!これは、単なるお皿じゃないですよ。

か…閣下と…長官が…使用された…お皿と…マグカップ…///////」


「///////こっ…興奮しすぎて、傷がついたらいけないわ💦

だけど…てっ…手が震えます………///////」


妄想が止まらず、貧血を起こしそうなムーランとリリア

そんな2人の様子を眺めている内、

緊張が伝染して気絶しそうな花蓮光


「ハルミちゃん、ちょっと待っててな。ここは、皆さんに代わって

私がお皿をキッチンに運ばせてもらいます♪…へえ♪

これは、リリエル様のお皿ですね♪」


「リリエル様…お料理も上手なんですよね?

冷蔵庫の中も、覗いてみたいですねえ…(笑)」


「そうやね…あ、でもアカン。冷蔵庫、鍵がかかっているのか

開かないわ。そりゃ、そうよね(^-^;」


「さ、閣下と長官の使用済みの食器を洗うのは、

リリア様とムーラン様のお2人に任せましょ♪」


真っ赤な顔でキャーキャー言いながら、

食器を必要以上に大切に洗うリリアとムーラン


プルーニャと鈴音は、リビングの整理整頓をする


「…いつも思うけど…本当に綺麗やね💦 

掃除なんか必要ないくらいじゃない?」


「朝食の時間に、慌ただしくお出かけになった筈なのに

この片付きっぷり…リリエル様…凄いです…💦」




改めてリビング全体を見回し、呆然と固まる花蓮光

ついに緊張の糸が切れて、パタリと意識を失う


「ああ💦ほら、花蓮光さん、大丈夫?はい、深呼吸しましょ

ひーひーふ~…」


慌てて介抱し始めたプルーニャは、

花蓮光が服のポケットにしまっていたカードキーに気がつく


「あ、これ…なんのキーなんやろか?」


そっと取り出し、翳してみる

すると…


2階から3階に繋がる螺旋階段が現れた

その先に見た事のない扉が厳かな光を放っている


「!!!!!」


あまりの事に目を丸くして固まるプルーニャ

キッチンで食器洗いを済ませたリリアとムーランも駆けつけ、目を瞠る

意識を取り戻した花蓮光は驚愕し、震えている


「…ハッ…もしかして…閣下が仰られていた

“魔法のお部屋”じゃないですか?!」


「”魔法のお部屋”なのに、閣下がいつでも使えるようにと取っておかれた…?」

「…ひょっとして…リリエル様との…?」


「!!きっとそうや!!…え、私ら、中を見ても良いんでしょうかね💦」


「和尚から言われた感じだと…閣下が用意してくださったみたいだし

良いんじゃない?」

「そうかも!!それじゃ、行ってみますか♪」


震える足を誤魔化しながら、3階へ続く螺旋階段を昇って行く




扉の前で、再びカードキーを翳す

ゆっくりと扉が開かれ、柔らかい光に包まれる


中に入るのも躊躇し、廊下で挙動不審にキョロキョロし合う

すると、その部屋のちょうど向かいに、壁と一体化された扉を見つける


「………!!!!もしかして…これ…」


壁に埋もれるように存在した扉には、イザマーレの紋章が浮かび上がり

強力な結界で覆われているようだった


「…あかずの扉…ですね…この扉から、リリエル様は…」


「………」


「?皆さん?どうしたんですか?…こちらのお部屋を見学しましょうよ」

事情を深く知らない鈴音が、黙り込んだLily‘sに声をかける


「うん…そうね♪」

気を取り直し、向かいの部屋へ入って行く




 
 
 

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