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惑い


その日の夜、いつものように、キッチンで夕食を用意するリリエル


「お待たせしました~今日はお刺身定食で~す」


「おっ、珍しいな。」

魔界では中々お目にかかれない献立に、ウエスターレンが喜ぶ

「裕子からの手土産か?」

さっそく日本酒を取り出して嗜み始めるイザマーレ


「はい♪今日は午後にお出かけしましたし、

ちょっとだけ手抜きさせて貰っちゃいました。すみません(笑)」


リリエルはいつものように微笑みながら、お茶を淹れていた


「…長官も、ご存知だったんですか?裕子さんの事」


リリエルが確信を持つため、念を入れたい時、

なぜかいつも確認するのはウエスターレンだ


(…それだけ、信用ないという事か……)


心の奥底で呟き、苦笑するイザマーレ


「裕子の事は、さすがに俺も初耳だった。まあ、

お前が知るよりも前に、イザマーレから聞かされてたけどな。

リリエル。何度も言うが、お前は俺よりも

イザマーレとの絆が深いんだ。自信を持てばいい。

お前たちの事は俺が必ず守ってやるから」


「……/////」


自分に対する評価だけは、驚くほど低いリリエルは、

返事に困り、俯いたままだ


「さて。吾輩の話をまったく信用しない。

そして未だに愛されている自覚のない、

そんな悪い子は、お仕置きだな♪」


「…!え……(汗)」


慌てるリリエルを抱き上げて、

プライベートルームへ連行するイザマーレ


泣き顔も怒った顔も、

いろんな表情に魅せられ、その色香に酔いしれる


しばらくの間、扉は消え続けた……




 
 
 

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