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敵意


婚姻の儀式も終わり、数ヵ月後…

魔界はすっかり日常に戻っていた


ダイヤは再びプエブロドラドの警備の巡回をしていた。


しかし…その頃から、やたらとダイヤに近寄ってくる女悪魔がいた。


名はルイと言った。

見た目は女子力も有り、ダイヤと正反対な

お洒落なモデルタイプの女性だ。


初めは色々と話をしていたが、だんだん内容が怪しくなり

ダイヤも警戒し始め、関わらないようにしていた…


ある天気の良い日

巡回するダイヤの元にルイが現れた


「ダイヤさん。こんにちは~!」

にこやかに髪をなびかせ、ルイがダイヤに声をかけた


「…はい…どうも…」

一度警戒すると、どうしても塩対応してしまう…


「陛下はお元気?」


(…ほら…また来た…。今度は何だ??)

ダイヤはひきつり笑いをしていた

「まぁ…そうですね…」


ルイはダンケルの事をやたらと聞いてくる

どんな生活してるのか…とか…

普段は何してるのか等々…

興味が有るのは分かるが…





(…陛下の事を、見ず知らずのアンタに言うわけないじゃん…。

何なの?この悪魔は…)


心でダイヤは思いながらイライラしていた。


「私ね実は…人間界で陛下とお付き合いしていたの」


「…え??はぃ???」

思いがけない話に、ダイヤは思わず聞き直した。


ルイは微笑んで続ける

「貴女が人間界で出逢う前に。私達愛し合ってたのよ。ずっとね…

貴女が陛下に気に入られても。

人間界では陛下…麗ちゃんって名乗ってたわよね…

勿論、貴女も知ってるわよね?」


…ダイヤは固まってルイを見ていた…


「…さ、さぁ…私には何の事やら…麗ちゃん?

陛下が?し、知りません…私には…何か人違いされてませんか?」

とっさに出た言葉だった。


「貴女…なっちゃんって呼ばれてたわよね。陛下に…」

含み笑いを堪えながら、ルイはダイヤを見ている。


「麗ちゃんは私の事、愛して下さったわ♪肌の相性も良くって」

ルイが自慢げに話す


「…それは良かったですね。残念ながら貴女は陛下に選ばれなかった。

それだけの話…善き思い出で良かったですね?ルイさん。」

ダイヤは冷静に言ったが心は荒れ狂っていた。


ルイに見透かされないように、ダイヤは微笑んで言った。

それでも話を止めず、ルイはダイヤにダンケルの話を続ける。

適当に打ち切り、「任務中だから」と言ってその場を離れた。



 
 
 

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