査察
- RICOH RICOH
- 2024年11月19日
- 読了時間: 3分
……
「なんだって、これを直ぐに伝えてこないんだ!!あいつは全く💢💢」
リリエルに付き合いながら、ブツクサと悪態をつき
苛立ちを隠そうとしないウエスターレン
「あ!やはりここに、未処理になってる契約書ありましたね(* ̄∇ ̄*)フッ」
いつになく怜悧な表情で書類に目を光らせるリリエル
「ま、この分なら、来週あたり、我々も休みが取れそうだな💕」
魔宮殿で溜まってる雑務をこなせば、
その尻拭いも綺麗に解決したも同然
手元の作業を止めずに、ほくそ笑むイザマーレ
「…そうですね。この分なら何とかなりそうで安心しました💕
…お腹空きましたよね。朝ごはん持ってきましたから、ひと休みしましょうか」
魔力で屋敷のキッチンを動かし、コーヒーを淹れて差し出すリリエルに、
イザマーレとウエスターレンもひと息ついて、やれやれと微笑み合う
魔宮殿に控える専属の使用魔たちは、
突然のイザマーレたちの来訪に慌てふためき
ダンケルのデスクに放置されていた書類を
物凄い勢いで捌いていく様子に
声をかけるタイミングを図りかね、
それならば、せめてお茶でもてなそうと考え始めた矢先
それすら、自分たちで完結させ、しかもどこか
余裕の雰囲気を醸し出すイザマーレたちに、
ただ見とれているだけだ
そこへ、シルバが畏まって姿を見せた
「イザマーレ閣下。この度は申し訳ありません。
各省庁から寄せられたトラブルを書き留めた陳情書が届いております」
「見せろ…あー💦やはり
地獄の釜が一時開いてしまっていたか…
蠢く罪人どもが、まさかの事態に目を丸くして
固まってる間に、再び封鎖されたようだが(笑)」
「…それなら、ひと安心ですね💕」
「いや…魔界はそこまで甘くない。念の為、セルダにも連絡しておこう。
警戒レベルを引き上げるようにとな」
「…よし。念の為、調べに行く必要があるな。
この書類の山も、ある程度片付いたし、すぐ向おうか」
「…あ、でしたら私はひとまず屋敷に戻り、
家事を捌いてもよろしいでしょうか?」
屋敷内の家事も、何もかも放り投げたままの状態が気にかかり、
すぐさま立ち去ろうとするリリエルの腕をむんずと掴み、
引き寄せるイザマーレ
「…それよりも、もっと画期的かつ効率の良い方法があるよな💕」
「…えっ///」
ニヤッと笑うイザマーレに、慌てるリリエル
「だが…さすがにこの場所ではなあ(笑)残念だなあ……💕」
ウエスターレンも八重歯を覗かせ、笑顔を見せる
「…!…あ、当たり前ですっ💦ダメですよっ絶対に💦💦」
何のことか察知し、真っ赤になってプンスカし出すリリエルに
笑いながら髪を撫でる2魔
ほんの少しだけストレスを発散させ、直ちに地方への移動のため
リリエルを髪に座らせるイザマーレ
その時、緑色の目玉蝙蝠が飛んできた
「おや。ベルデからか。珍しいな」
指先に目玉蝙蝠を捉え確認した瞬間、ニヤッと笑うイザマーレ
「…リリエル。どうやら、屋敷の心配は要らないようだ。」
「えっ?」
「毎度、ソラの館に集結していたLily‘sたちが
噂を聞きつけ、どうにかリリエルの役に立てないかと
直訴してきているそうだ。どうする?」
「え!! 本当ですか?!…申し訳ないですね💦」
「良いじゃないか。たまには、あいつらの好意に甘えてみるのも。」
「そうそう。それなら、心置きなくゆっくりと、地方行脚できるしな♪」
「…そうですか……でしたら朝食時の食器洗いだけ、お願いしようかしら…💦」
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