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確証


「早速で悪いが、ベルデ。お前はどう読み解く?」


煙草に火をつけ、紫煙を燻らせながら

ウエスターレンは問いかける


禁煙だ、と言っても無駄だと分かっているが

ベルデはため息をつきながら、のんびりと答える


「始まりの場所に、百合の花が咲きかけていたね。

だけど……あそこの清廉なオーラには勝てず、

花開くことなく枯れてしまったみたい

乱雑に蒔かれていた種を拾ってきたよ」


ベルデはウエスターレンに、その種を見せる


「品種は調べてみないと分からないけど、

ひょっとしたら人間界の種を持ち込んだのかも…

リリエルちゃんとは比べ物にもならない劣等品種だと思うよ」


「…育つかどうかも分からない、それでもどうにか咲けば儲けもの

いかにも低級悪魔が思いつきそうな、筋書きの悪いアイディアだな」


ウエスターレンの口ぶりに、

背後に起きている事象は全て確証済みだろうと察するベルデ


「人気者だからね、リリエルちゃん…

それでウエスターレン。僕に頼み事って…?全て把握しているなら

君がさっさと動いてやればいいんじゃないの?」


「芽が出ない内に動くわけにもいかないからな。

何せ、相手がド素人過ぎて、時間がかかり過ぎる。

だが、そのド素人の背後が少々厄介でな。

先日ダンケル絡みで暗躍していた連中だ。

この際、一網打尽に片づけたい。そこでだ。

おびき寄せる為、こちらからも罠をしかけたい。

協力してくれ。……」





全てを聞き終えたベルデは、改めてため息をつく


「ふうん。…どっちも面倒だなあ……でも、イザマーレのためでしょ。

頑張るよ。一応、ウエスターレンの提案の2つとも選択肢にできるよう、

調べさせてくれるかな。」



「……いいだろう。準備ができたら、知らせてくれ」

ウエスターレンは煙草を手のひらで潰し、瞬時に立ち去った


「ふふ…相変わらず、せっかちだな。僕の淹れたハーブ茶も飲まずに…」


ベルデは独り言ちて、考え始めた


(イザマーレのため、そしてウエスターレン。君のために

最善を尽くすよ。久しぶりに、ワクワクしてきた♪)


風貌は穏やかだが、その心根はどこまでも冷徹な悪魔。


「さて、そのためには、人間界の調査も必要だ。

…いちいち行くのも面倒だから

代わりに動いてくれる人間を使おうか。」


人間界での活動期間に

器として入り込んでいた人間でも呼び出そうかと思い立ち、


「…そういえばあいつ、今どうしてるんだろう。」


のんびりと魔水晶で観察し始めた…




 
 
 

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