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紫蘭


ラウンジで皆から少し離れたところで

休んでいた風帝妃にラァードルが話し掛ける


「風帝妃様ご無沙汰しています。挨拶が遅れて申し訳ないです」


「おや、誰かと思ったら雷神界の皇太子殿か…どうしたんだい?」


「吾輩の妻として迎えたスプネリアが

貴女の娘と聞いた時は驚きました

この世にスプネリアを産み落としてくれた事に感謝してます

スプネリアの事は吾輩が必ず守り幸せにしてみせます」


「……silanの事は何も心配してないわ。

イザマーレ様やウエスターレン様が保護なさってるようだし、

それに貴方もいるしね

でもまさか、人間界に降りた貴方の傍に

silanが居るとは思わなかったわ

お互い引き合ったのかもしれないわね。2名で幸せになりなさいね」


「はい、ありがとうございます」


「あ、そうだわ 貴方にこれを渡しておくわ」

風帝妃は小さな小箱を取り出し、ラァードルに手渡す


「……? 風帝妃様、これは……?」


「それはあの子、silanが女に化身する前に産み落とした種なの

あなた達にもし何かあれば、その種が役に立つかも知れないから…」


「! 分かりました。大切に吾輩が管理しておきます。

ありがとうございます……」


「……silanの事頼んだからね」


それだけ言うと、ラァードルから目を逸らし

窓から外を見つめる風帝妃


その瞳から光るものが流れ落ちるのを見た様な気がした




 
 
 

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