紫蘭
- RICOH RICOH
- 2024年10月29日
- 読了時間: 2分
ラウンジで皆から少し離れたところで
休んでいた風帝妃にラァードルが話し掛ける
「風帝妃様ご無沙汰しています。挨拶が遅れて申し訳ないです」
「おや、誰かと思ったら雷神界の皇太子殿か…どうしたんだい?」
「吾輩の妻として迎えたスプネリアが
貴女の娘と聞いた時は驚きました
この世にスプネリアを産み落としてくれた事に感謝してます
スプネリアの事は吾輩が必ず守り幸せにしてみせます」
「……silanの事は何も心配してないわ。
イザマーレ様やウエスターレン様が保護なさってるようだし、
それに貴方もいるしね
でもまさか、人間界に降りた貴方の傍に
silanが居るとは思わなかったわ
お互い引き合ったのかもしれないわね。2名で幸せになりなさいね」
「はい、ありがとうございます」
「あ、そうだわ 貴方にこれを渡しておくわ」
風帝妃は小さな小箱を取り出し、ラァードルに手渡す
「……? 風帝妃様、これは……?」
「それはあの子、silanが女に化身する前に産み落とした種なの
あなた達にもし何かあれば、その種が役に立つかも知れないから…」
「! 分かりました。大切に吾輩が管理しておきます。
ありがとうございます……」
「……silanの事頼んだからね」
それだけ言うと、ラァードルから目を逸らし
窓から外を見つめる風帝妃
その瞳から光るものが流れ落ちるのを見た様な気がした
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