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結実


ログハウスで一夜を明かしたイザマーレとAnye


照れくさくて目を反らしながら、腕の中から抜け出し

キッチンに向かうと、そこに居た、もう一つの影に目を瞠る


丸太椅子に、窮屈そうな長い脚で、眼光鋭く紫煙を燻らせる

紅蓮の悪魔…


「よお!お目覚めか?」


「…あ、あの…貴方は…?」

固まりつつ、声を絞り出して問いかける

後ろからAnyeの髪をポンと撫で、嬉しそうに出迎えるイザマーレ


「ご苦労だったな、ウエスターレン♪」


「イザマーレ、おはよう💕お前の指示通り、肉やら魚やら

見繕って調達したぞ。なに、火なら俺様が居れば事足りるよな♪」


「…あ、あの……?」


自分を置いてきぼりにして、サクサクと物事を進めていく2魔に

戸惑ったままのAnye


大量の荷物をログハウスの中に運び込みながら

そんなAnyeに笑いかけるイザマーレ


「お前が休戦中というなら…無理に貶める必要もない。

それなら、困ってる相手に手を差し伸べたって、何ら問題はなかろう♪」


「……」




「Anye、突っ立ってないで、

ウエスターレンにもコーヒーを淹れてやってくれ。

吾輩は、砂糖なしで頼むな♪」


「!…は、はい…お待ちくださいね」


意味が分からず、固まっていたAnyeは、ようやくハッとして

薬缶でお湯を沸かし始める


「ふ~ん…魔法は使わんのか。一度、目の前で見てみたかったけどな♪」


「////……ち、違いますよ!!そう毎回、魔法でズルなんかしませんからっ💦」


何となく分かっていたが、全てを見透かされていた事に

改めて真っ赤になりながら、プンスカし始めるAnye


そんなAnyeの様子を笑顔で見守りながら

目配せし合うイザマーレとウエスターレン


「それはそうと、今日はこの後、ベルデも構成員の奴らを引き連れて

陣中見舞いに来るそうだ。イザマーレ、お前の公務の間、

姫君の御守は彼らに任せればいい」




「! そうか…有り難いが…」

言葉を濁らせるイザマーレを抱き寄せ、目を細めるウエスターレン


「お前だけの宝にしたいだろうがなあ…もう少し、辛抱しろ♪」


「……」


Anyeの手前、わざとらしくおどけてみせるウエスターレンに

遠くない未来を見据え、真剣なまなざしを向けるイザマーレ


魔界から遠くはなれた土地に、誇り高き最高魔軍が集結する


光と花…… 2魔のまどろっこしい追いかけっこが結実すれば

歯車が急速に回転を強め、物語が動き出す…


これもまた、運命…





 
 
 

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