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大樹の願い


ログハウスで、イザマーレに寄り添われながら、

ウエスターレンや、時には構成員たちにも囲まれながら

穏やかな月日が流れていた


かつて、草花たちに見守られ、平和に過ごした記憶に似て

いつしか、Anyeのわだかまりも解け、

朗らかな笑顔を見せ始めていた


すべての役割を終え、安堵しながら

静かに土に還っていく柿の木…


……


最期に朽ち果てる寸前、ちょっとした悪戯心が芽生えた


Lilium様からお預かりした、大事な姫君…

光の元で美しく咲き誇る貴女なら……

もう一つくらい、奇蹟も引き起こせるかも……


あの時、私の枝に傷つき、倒れた天使の事を託します

またいつか、どこかで巡り合えますように…Lily様……


倒れ込む樹木の破片が、風に煽られて飛び去っていく


はるかなる魔界の王都、魔宮殿へ……




 
 
 

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