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覚醒


文化局に移動すると、

心配したラァードルがちょうど駆けつけたところだった


「サムちゃん!大丈夫?今、親父や風神帝にも色々頼んだから…

吾輩で力になれる事があったら、何でも言って!」


構成員の事になると、立場を超えてでも

率先して動くラァードルに、イザマーレもようやく笑みを浮かべる


「すまないな。是非、協力を仰ぎたい。よろしく頼むぞ、ラァードル」


この状況で落ち着いているイザマーレの姿に、

ようやく少し安堵するラァードル


……


セルダの状況をいち早く知ったバサラが焦り

それでもイザマーレの前に姿を現す勇気がなく

何とか力を貸してもらえないかと、

元老院にいるラァードルに泣きついていたのだ…



イザマーレ、ウエスターレン、ラァードル。

3魔が共に姿を現した事で少しほっとしたベルデ


ベッドサイドを彼らに譲り、状況を伝える


「心臓にこびり付いていた天使の呪いは、どうにか剝がせたと思う。

ただ完全には取り除けないんだ…これ以上やるのは、

セルダの負担が大きくなるから。なにより、セルダが

自分の意思でかけた呪いが強くて…力不足で、本当にごめん…」




「何を言うか。ベルデが力を尽くしたからこそ、こいつは今も

ぬくぬくと安寧の地で眠り続けているのだ。

だが、そろそろ起こしてやらねばな♪」


ベルデを労いながら、ニヤッと不敵な笑みを浮かべるイザマーレ


「ラァ様、頼む!」

「はいよ~」


イザマーレの声を受けて、軽く返事をしながら

スティックを振り回すラァードル

その瞬間、凄まじい稲妻が閃光を放ち、

雷鳴と共にセルダの身体を貫く


ビクッと身体を跳ね上げ、瞬発的に戦闘態勢になるセルダ


「ようやく目覚めたか、悪魔猫よ。少しばかり、怠けておったな?

しつけ直してやらんとな♪」


すかさずイザマーレの詠唱する言霊により、自我を取り戻すセルダ


「閣下…ごめん、俺…」

涙を流して悔しがるセルダを抱きしめるイザマーレ


「大丈夫だ、セルダ。お前にはまだ、やりたい事がある。

そうだろ?お前の為に力を貸すくらい、当然の事だ。」


そんな風に笑うイザマーレを、静かに見守る彼ら…



 
 
 

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