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邂逅


やがて夜が訪れ

入所したばかりの新入魔たちは穏やかに眠りについていた


闇に溶け込むように、そびえ立つ魔木


夜空から月光が差し込み、その場に現れる金髪の怒髪天


『………』


「居心地はどうだ?」


無反応を決め込む霊魂に、短い言葉で問いかけ

そのまま話を続ける


「あの当時、リリエルがよく遊んでいた柿の木の手前に

香りの良い梅の木があった。」


『…!!……』


「吾輩が魂を浄化させ、プルーニャと共に人間界に降りた後

お前はずっと、あの梅の木に宿っていた。…吾輩が気づかないとでも

思ったか?」


『………』


何も答えずにいる相手に、悠然と微笑むイザマーレ


「お前は分かっているはずだ。

本当の拠り所はリリエルの中にある事を…

現に、リリエルが悪女として振る舞う時、

お前はいつでも、リリエルを手助けしていた。そうだろ?」




『…!!…////』


「…なにせ、言霊の効かない誰かさんと同じだからな。」


『…相変わらず、お人好しの悪魔ね。

別に、貴方の意思に従ったんじゃないわ。

遊び歩きに飽きて、ちょうど良い宿り木を見つけただけだもの…』


ニヤッと笑うイザマーレに

黙り込んでいた霊魂が動揺しながら思わず悪態をつく


「それでも構わないさ。吾輩がお前を見放す事は決してない。

お前が隠れんぼを望むなら、つき合ってやるまでだ。」


「…かっか…」


闇夜に伝わる微かな声に、マントを翻すイザマーレ

「…お前も一緒に来るか?」


『行かない!!また見限られても知らないわよっ』


思わずムキになり、苛立ちを露にする理恵に

ニヤッと笑いかけ瞬間移動で立ち去るイザマーレ


そして、屋敷の部屋で眠りから覚め、呼びかけるリリエルを抱きしめる


「リリエル…ここに居るぞ」

「………閣下、お出かけでしたか?」


腕の中で問いかけるリリエルの髪を撫で、微笑む


「ちょっとな。意地っ張りの誰かさんに会いにな♪」

「…?…」


キョトンとしながら微笑むリリエルを押し倒し、そのまま口唇を重ねる…




 
 
 

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