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いきる


あの時―


魂の眠る花園で、少しの間、Lilyelの魂に触れていたKill


通常、天界の意にそぐわぬ者として処刑された魂に宿る役割を負う

これまでにない強力な穢れを与える必要があり、

ゼウスの命によりKillが選ばれたのだ


その穢れに触れる事で、自らの過ちを悔い改め

ゼウスの意のままに生きる人間に生まれ変わるのだ


だが…どんなに穢れを与え続けても

Lilyelの魂から増幅される怒りと憎しみの感情に戸惑い続けるKill


なんと崇高で、また憐れな…


そうしている内に、単に穢れの役割でしかないKillに

これまでにない感情が生まれる


どれほどの痛みを味わってきたのか…

可能であれば、代わってあげられたら、どんなに良かったか…


それでもこの方は、光を愛し続けているのだ


影でしかない自分は、代わりになってあげられないのだ

もし可能であれば、この方の身代わりになってでも

お守りしてあげたい…


ふと、強いオーラを感じ見上げると

いつの間にか現れていた黄金の光…


Killが心で呟いていた言葉を聞かれていたのだ




「ほう…なかなか見上げた心意気だな。

だが…少しも嬉しくはない。

それならば、生きてみろ。

自らの意思を持ち、どんな困難にも負けず生き抜いてみろ」


(……!!)


Killは黄金の光を見上げて驚いた

力強い言葉とは裏腹に、涙を流していたのだ


「吾輩は、今の悔しさを決して忘れない。

救いたくても、救う事のできなかった、自らの不甲斐なさを…

お前は、あいつを救う最後の砦。

その為の重石になってもらう。良いな…?」






 
 
 

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