top of page

城の庭


……

城の庭は森の木立に囲まれ、穏やかな空気に満ち溢れていた


「素敵💕魔界の文化局の森のようだね」

「ホントだね~。早速、スケッチしなきゃ💕」


何度も深呼吸するスプネリアの横で、

メーラは体育座りになりスケッチを始める


雷帝妃の傍で佇むリリエルに、バナトラが声をかける


「ねえ、リリエルちゃん。どうしてかな、私、おかしいの。

初めてのはずなのに、何処を見ても覚えてる…気がして…」


「バナトラ様…」

リリエルはバナトラの手をとり、静かに擦る

「…間違いない。確かにこの手のぬくもり、覚えてる。

どうして今まで気づけなかったのかしら……」


「…え?」


急に俯き、涙を堪えるリリエルに、

問いかけたバナトラが首を傾げる


「やだ、リリエルちゃん泣かないで💦ごめん、私何かした?💦」


慌てるバナトラにリリエルは首を横に振りながら、ギューッと抱きしめる




「ううん、違うの。ごめんね。そしてありがとう、バナトラ様💕」


「えっ💦ちょっと!ますます意味分かんないよ💦

閣下に怒られるから(^-^;」


ますます慌てふためくバナトラ


直後にイザマーレが姿を現し、

バナトラからリリエルを引き離し、抱き寄せる


「リリエル、待たせたな」

「やっぱり泣いたか(笑) 仕方のない奴め♪」

続いて現れたウエスターレンがニヤニヤして笑う


イザマーレが来たのでホッとしたのも束の間、

続いて現れた風神夫妻を見て、固まるLily‘s


「…まったく、あんたたちはいったい何なのさ。

夫婦揃ってどんだけお人好しなんだろうね。」


「Bletilla様…素敵なお庭ですね💕気持ちがいいわ」

呆れ顔の風帝妃に、にっこり微笑むリリエル


「ふっ、仕方ないね、リリエルちゃん。私の負けだ。

ただし、こんな庭で満足してもらっちゃ困るんだ。

あんたが私に素敵な旦那さんを紹介してくれたから

私も特別に、秘密の場所を教えてやるよ。ついておいで」


くるりと背を向け、スタスタと歩き出す風帝妃


「Bletilla様?…どうなさったのかしら?」


「さあな?お前に根負けして、照れ屋で意地っ張りの

本領発揮だろうな(笑)」


首を傾げるリリエルに、微笑むイザマーレ





「驚いたー。雷帝妃とリリエルちゃんも雰囲気とか似てるけど、

ここまでクリソツなんだもん(*^艸^)クスクスw」


呆然と固まるバナトラの手を引き、その後に続くメーラ


「しかもダイヤちゃんそっくりな性格で、

姿はバナトラちゃんとか(笑)

(・∀・)ニヤニヤ これは、描きごたえあるわ~💕」






 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

コメント


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page