夜明け
- RICOH RICOH
- 2024年10月29日
- 読了時間: 3分
光と紅蓮、花…3魔の強力な波動により、
予定より速く時空を超えて進んでいく飛行船
「あ、ほら見えてきたよ!あれが雷神界
前に連れてきた時は、親父たちに紹介しようとしたけど、
スプネリアはビビって逃げちゃたんだよ(笑)」
「えぇ~そうだったのですか💦」
デッキに出て雷神界を指差し、
穏やかに寄り添うラァードルとスプネリア
そこにイザマーレとウエスターレンもやって来た
「雷神界が見えてきたな。ここまで来たら、
そろそろお楽しみも終わりだな♪」
「後、数時間で到着するからな。そうだな?ラァードル」
ニヤニヤしながら話しかける2魔
部屋の前で会った時の事を思い出し、
真っ赤になりラァードルの後ろに隠れるスプネリア
「ほお。今までとは顔つきが変わったな。」
「今のお前を見たら、リリエルも喜ぶだろうな」
「お前らの状況次第では、
もう少しコントロールしてやろうかと思ったが
その様子なら必要なさそうだな。
仕方ない。総仕上げとするか(笑)」
相変わらずニヤッと笑いながら、
目配せし合うイザマーレとウエスターレン
「そろそろ目覚める頃だろ。我々は部屋に戻るぞ。また後でな」
そう言い残し2魔は戻って行った
「じゃあ吾輩達も広間に戻ろうか?」
「……はい///」
広間に戻ると、バナトラとメーラが眠っていた
ビデオ鑑賞会で大いに盛り上がり
何度も繰り返し観ていてそのまま寝てしまったのだ
彼女たちを横目に静かにベルデと話し合う
「スプネリアちゃんの顔つき、ちょっと変わったね。
あの部屋で何か思い出せたのかな?」
「……正直言ってはっきりとは思い出せてはいません
でも、何かを感じ取れました……記憶が戻らなくても
ずっと一緒にいてくれるという殿下の言葉と
今の自分の気持ちを信じていこうと思ってます……////」
スプネリアの言葉と表情を見て、
ベルデもにこやかに笑いかける
「うん、少し前向きになれたようだね
呪いに打ち勝つには、未来を向く事が何よりも大事なんだ
ラァードルと打ち解けて、大きな山は乗り越えられたんじゃない?」
ベルデの言葉に、ラァードルも頷く
「だよね クヨクヨ悩んでも解決しないって
サムちゃんのお陰で気がついたよ。だけど、それはそれだからね
薬草を守っているという主には、必ず会わなきゃいけない気がする
吾輩はこのまま向かうよ」
そう話すラァードルにベルデも納得する
「じゃあ皆が起きる前に朝食の準備でもしておこうか
ラァードル、スプネリアちゃんも、手伝って貰えるかな?」
「手伝うよ、元々吾輩達のためにベルデ達に
付き合って貰っているんだし」
「はい、お役に立つか分かりませんが、お手伝い致します」
3名は飛行船のキッチンに移動して朝食の準備に取り掛かる
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