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女子会


週末―


最高魔軍の再始動まで、残り僅かとなったその日

プエブロドラドのレストランに集い、女子会を繰り広げるLily‘s


黒ミサツアーに向けて、各地の名産品や観光名所などを調べつつ

当日の服装や、集合場所などについて相談し合っていた


「ねえ、リリエルちゃん。今度のツアーはどうするの?やっぱり

閣下と一緒に帯同するのかな?」


「ええ~、せっかくだから、みんなで寝泊まり出来るといいよね。

たまにはLily‘s同士で…」


イザマーレとウエスターレンも、リリエルの付き添いで、

レストランの少し離れた場所に待機しながら

ツアーの最終調整を行っている


「やはり、久しぶりのウエスターレン復帰でもあるし

構成員の奴らと旅を満喫したいよな」


「…そうだな。」


ツアーが始まると、構成員と悪魔軍666師団を従えて

ひとつの大きな家族のように過ごすのは、昔からの伝統である


最高の音楽と、最高の仲魔たち、

そして各地の珍味を食しながら同じ景色を味わう

飾りや柵のいらない時間…

それは、他には代え難い至極の時間なのだ


「…楽しみだな」

ここに至り、ようやく、ある決断に辿り着いたイザマーレ

そっと振り向いた時、まさに今、想いを馳せていた本悪魔が

花の綻ぶような笑顔で近づいてきた




「ん?…どうした、リリエル」


「(´∀`*)ウフフ…閣下、あの…今度の黒ミサツアーの期間中、

出来たら、Lily‘sの皆と一緒に、お泊りしたいな~と思うのですが…

ダメ?」

俯きがちに上目遣いで首を傾げるリリエル


(…///////)


どう説明しようか、考えあぐねていた自身の胸の内を見透かされたようで

動揺する姿を誤魔化すように、ほんの少し視線を泳がせながら、抱き寄せる


「…やれやれ。仕方ないな。それなら、各会場の日程に合わせ

お前たちの宿も吾輩が用意してやる。リリエル、吾輩もツアー中は

構成員の奴らと…」


「はい♪閣下や構成員の皆さ魔にとっても、

かけがえのない、素敵な時間ですよね。

私は…そんな閣下を客席から眺めていたいの…だから…お願い💕」


「…分かった。リリエル、毎回泣き過ぎてもいいように、

タオルは忘れるんじゃないぞ♪」

「///んもう!…でも…ありがとうございます(≧∇≦)」


ほんの少しプンスカしながら、すぐにウキウキし始めるリリエル

一抹の寂しさを覚えながら、どこかでホッと安堵するイザマーレ


「…よしっ 決まりだな♪」

ウエスターレンが八重歯を覗かせ、ニヤッと笑う


「ふふっ 長官、各地のおすすめの絶品料理のお店、

リサーチお願いしますね♪」


「…お前なあ💦」


調子に乗るリリエルに呆れつつ、絶対に楽しい旅にしてやろう。

そう、心に強く刻み込む瞬間だった




 
 
 

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